- #1
- #2
ボクシングPRESSBACK NUMBER
ボクシング堤聖也が激白「あのドネアが僕を倒しにくるんだ…ワクワクする」恐怖を超越した“高揚感”の理由「警戒すべきは左フックだけじゃない」
posted2025/12/15 11:01
ノニト・ドネアとの団体内統一戦に挑むWBA世界バンタム級王者・堤聖也。レジェンドとの一戦は、世界的な評価を上げるチャンスでもある
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi
WBA世界バンタム級王者・堤聖也が“次のチャプター”に突入する一戦が間近に迫っている。堤は12月17日、両国国技館で5階級制覇王者、現在は同級暫定王座を保持するノニト・ドネア(フィリピン)と2度目の防衛戦を行う。これまで43勝(28KO)8敗という豊富なキャリアを積み上げてきた通称“フィリピーノ・フラッシュ”との戦いは、格的には過去最大の一戦と呼んでいいはずだ。
「いつも通り、“試合に対する怖さ”がまずあるんですよ。ドネア自身の怖さも感じながら練習しています。でも、ふとした瞬間に“あのドネアのパンチを僕が受けるんだ”“ドネアが僕を倒しにくるんだ”って考えると、ワクワクもするんですよね。普段の練習では課題を試しながら不安もあるし、試合に向けての怖さと向き合っている。でもふと“本当にドネアと戦うんだ”って思った時、純粋に楽しみしかなくなるんです」
井上尚弥を苦しめたドネア
堤の高揚感は理解できる。過去にフライ〜フェザー級を制したドネアは、引退後の名誉の殿堂入りは確実のスラッガー。フェルナンド・モンティエル、ギジェルモ・リゴンドー、西岡利晃、オマー・ナルバエスなど軽量級の多くの強豪と拳を交えてきた。
ADVERTISEMENT
2019年11月、2022年6月と井上尚弥と2度にわたって対戦し、特に第1戦ではプロキャリア最大級の苦戦を味わわせてもいる。無人の荒野を征く“モンスター”は“ライバル”不在であり続けてきたが、その位置に最も近いところにいた選手がいるとすればドネアだったのだろう。すでに43歳でもちろんピークは過ぎたとはいえ、6月にはアンドレス・カンポスに9回負傷判定勝ちで暫定チャンピオンに就任している。
「(ドネアのキャリアを)しっかり見てきたわけじゃないんです。ただ、圧倒的な知名度があったから、仲間が“ドネアやばい”“ドネア見た?”って言ってて。SNSでもよく流れてくるし、“やべぇな”って思ってました。画面の向こうの“雲の上の存在”という認識でしたね。ちゃんと見たのは井上尚弥さんとの2戦。あれはリアルタイムで見ました。それ以降はダイジェストを流し見するくらいですが」


