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家庭科の先生を辞めてプロレスラーになった娘…父の本音「いつまで続けるんだ」 レディ・Cが直面した世間の壁と批判「やっぱり試合を見てほしいんです」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/12/07 17:01
家庭科の先生から転身し、今年5周年を迎えたレディ・C
リングで自ら髪を切った理由
レディ・Cというレスラーは着実に成長している。試合を見ている人間なら分かることだ。会場に行けばさらによく分かる。“実感”と“情報”のギャップが大きいタイプと言うべきか。
成長のきっかけは、所属ユニットからの“追放”だった。昨年6月、大江戸隊とのユニット対抗戦で敗れたレディたちはQueen's Quest(QQ)を離れることに。1人残された上谷沙弥はヒールに転向、QQは消滅することとなった。
現在のレディはショートカットにして精悍さが増したイメージがある。QQを離れて初めて上谷と対戦した際、「モヤモヤした気持ちを断ち切るために」リングで自ら髪を切った。
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レディは同じくQQだった妃南とともにGod's Eye(ゴッズアイ)に加入。現代女子プロレスにおける“強さの象徴”の1人である朱里が率いるユニットは、QQとはまた違うスタンスだった。
「QQのチームとしての闘い方は、ユニットらしく連携技を重視するものでした。逆にゴッズアイは個の力を集めて闘う感じ。仲間のアシストを受けながら、最終的には自分の力で勝つというスタイルです」
ランニング式ブーツは、ゴッズアイの練習で朱里と磨いたものだ。
「今年の夏、朱里さんが練習に付き合ってくれました。ずっと“レディのブーツは凄くいいし、もっとよくなるよ”と言ってくれて」
最近は体が大きくなったのか、入場用ガウンがきつくなってきたとも。ゴッズアイは練習の最後に行う筋トレが“名物”になっている。
「3時間くらい練習をして、最後に筋トレですね。腹筋は朱里さんが終わりというまで何セット続くか分からない。筋トレは日によって部位を分けるんですけど、朱里さんは体幹重視で“腹筋は毎日やっていい”と」
「また負けたのか」SNSでの批判に思うこと
個としての力をつけた実感があるから、今はベルトにも貪欲になれる。
「これまでタイトルを獲れなかったんですけど、タイトル挑戦自体が少なかったんです。機会をうかがっていることが多くて。それだけ自分に自信がなかったんですね。でも今は違う」
身長170cmの壮麗亜美との大型タッグ「令和東京タワーズ」の試合も魅力十分。ダイナミックな攻撃だけでなく、上昇志向やひたむきさもアピールポイントと言っていい。



