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[国際結婚までの道のり]松山恭助「伝えようとする気持ちが大切」
posted2025/12/10 09:00
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
Wataru Sato
【KEY POINT:会話】
パリオリンピックのフェンシング金メダリスト、松山恭助が英語の必要性を痛感したのは、早稲田大学在学中だった。
「小学校5年生の時に初めて日本代表に選ばれて国際大会に出場したり、小さい頃から外国人とコミュニケーションを取る機会は多かったと思います。ところが、大学生の時に小さい頃から憧れていた選手に教えてもらおうと思って飛び込んだら、自分が考えていることを伝えられなかったんです」
憧れの選手、それはイタリアのアンドレア・バルディーニだった。オリンピックではロンドン大会男子フルーレ団体で金メダル(この時の決勝の相手は日本だった)、世界選手権では4個の金メダルを獲得している大スターである。
「どうしても、バルディーニにフェンシングを教えてもらいたくて、彼が住んでいたボストンに行き、ホームステイさせてもらいながらコーチングを受けようと思ったんですが……」
そこで松山は「恥をかいた」と振り返る。
「彼のフィアンセとの3人暮らしの期間が2週間くらいありました。もう、地獄でしたね。彼が話していることはなんとなく理解できました。ところが、自分が思っていることを正確に相手に伝えられない。助けを求める相手もいないし、自力で何とかしなくちゃいけなくて、とにかく身振り手振りで必死に意図を伝えていました」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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