熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ああ、なくしてしまった」“両親の30年分”がこもった金の結婚指輪が…世界陸上“あの金メダリスト”が感謝「日本人ならではのやさしさだ」
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2025/12/03 11:01
世界陸上男子競歩で“結婚指輪をなくして”話題となったカイオ・ボンフィムと妻のジュリアーナさんら家族に現地ブラジルで取材した
「落とした経緯を詳しく伝え、許してくれと頼んだ。ジュリアーナはやさしい性格なので、『わかりました。あれだけ頑張って金メダルを取ったのだから、もちろん許します。でも、これからは二度となくさないでね』と言ってくれた」
――つまり、彼女は指輪が戻ってくるとは思っていなかったわけですね。
「そういうことだ。母も、『仕方がない。諦めましょう』と言っていた。でも、この日、大勢の大会関係者が午後、さらには夜まで現場で指輪を探してくれたと聞いた。これには、本当に感激した。そして、会う人会う人が、優勝の祝福に加えて『指輪、見つかるといいですね』と言ってくれた。日本ならでは、日本人ならではのやさしさを感じた」
妻「そんなことがあるの?」
ADVERTISEMENT
ただ、競技当日の20日は手がかりはなかったという。カイオがブラジルへの帰国便に乗るのは翌21日夜ということで、見つかることはないと思っていたのだが――。妻のジュリアーナさんもこう振り返る。
「そんなことがあるの?」〈下の【関連記事】に続く〉

