第102回箱根駅伝(2026)BACK NUMBER
大迫傑、三浦龍司…箱根駅伝ランナーを育む名門高校の変遷と、強豪校出身選手ならではの“勝者のメンタリティ”とは
posted2025/12/03 10:00
前回の第101回箱根駅伝で総合優勝した青山学院大学の5区を務めた若林宏樹は洛南高校出身
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Nanae Suzuki
箱根駅伝をテレビ中継で見ると、選手を紹介するテロップの選手名の右隣には必ず出身高校名が記載されている。何の気なしに見ていると、「さっきもこの高校出身の選手が走っていたな」とふと気づく瞬間がある。
前回の第101回大会は、埼玉栄高(埼玉)と洛南高(京都)出身の選手が多かった。学生連合チームを含む全336人(各チーム16人以内)のうち、埼玉栄高出身の選手は11人、洛南高出身者も10人となんと二桁に達した。
もちろん全員が走ったわけではないが、21人の中には活躍を見せた選手が多かった。
往路で先頭をひた走った中央大学の3区を務め区間賞を獲得した本間颯(現3年)、駒澤大学のアンカーを担い約2分30秒差を懸命に追った小山翔也(現3年)、終盤に猛追した國學院大學の8区・佐藤快成、吉田蔵之介(現3年)は埼玉栄高出身の選手だ。
洛南高出身の選手では、青山学院大学の5区で山上りを務め、先頭を奪う殊勲を挙げた若林宏樹が見事に箱根駅伝ラストランを飾った。さらに7区では、駒大の佐藤圭汰(現4年)が、故障明けながら圧巻の区間新記録を樹立。洛南高で2学年後輩だった岡田開成(中大)との並走もトピックになった。
両校ともに全国高校駅伝の常連で、埼玉栄高は1987年に日本一に輝き、近年も上位入賞を果たしている。洛南高も優勝こそないものの2021年は2位となり、近年は上位争いを繰り広げている。
直近5大会の出身校の傾向
前回の箱根駅伝のエントリー選手を出身校別に整理し、大会ごとに5人以上となった高校は以下の通りだ。
【第101回大会】
11人 埼玉栄高
10人 洛南高
8人 世羅高(広島)
7人 佐久長聖高(長野)、大牟田高(福岡)
6人 学法石川高(福島)、西脇工高(兵庫)、九州学院高(熊本)、國學院久我山高(東京)
5人 仙台育英高(宮城)、東農大二高(群馬)、小林高(宮崎)
上位に名を連ねるのは、当然と言えば当然だが高校駅伝の強豪校ばかり。さらに4大会を遡ると、エントリー選手が5人以上いたのは以下の高校となる。
【第100回大会】
13人 洛南高
12人 仙台育英高、埼玉栄高
10人 学法石川高、佐久長聖高、世羅高
6人 専大松戸高(千葉)、西脇工高
5人 東農大二高、八千代松陰高(千葉)、國學院久我山高、鎌倉学園高(神奈川)、豊川高(愛知)、大牟田高、鳥栖工高(佐賀)、九州学院高
【第99回大会】
12人 仙台育英高
11人 世羅高
10人 洛南高
9人 学法石川高
8人 佐久長聖高
7人 八千代松陰高、鳥栖工高
6人 須磨学園高(兵庫)、大牟田高
5人 水城高(茨城)、専大松戸高、倉敷高(岡山)、鎮西学院高(長崎)、小林高
【第98回大会】
11人 学法石川高
9人 佐久長聖高
8人 東農大二高、鳥栖工高
7人 埼玉栄高
6人 市立船橋高(千葉)、八千代松陰高、小林高、宮崎日大高(宮崎)
5人 洛南高、世羅高
【第97回大会】
11人 学法石川高
9人 佐久長聖高
7人 東農大二高、八千代松陰高、浜松日体高(静岡)
6人 埼玉栄高、洛南高、西脇工高、倉敷高
5人 前橋育英高(群馬)、市立船橋高、専大松戸高、須磨学園高、九州学院高


