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「自分は陸上しかないんで」出雲で“号泣”の駒澤大エース候補が選考レースで復活! 箱根駅伝へ監督は「ラインナップは不安なし。最大のライバルは…」

posted2025/11/19 06:00

 
「自分は陸上しかないんで」出雲で“号泣”の駒澤大エース候補が選考レースで復活! 箱根駅伝へ監督は「ラインナップは不安なし。最大のライバルは…」<Number Web> photograph by Takashi Shimizu

駒澤大の次世代エースと目される2年生、桑田駿介。出雲駅伝の失速から上尾ハーフで復調を見せ、学生2位の好結果を出した

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Takashi Shimizu

 顔をくしゃくしゃにした笑みを浮かべ、駒澤大の桑田駿介(2年)が戻って来た。

 11月16日に行われた上尾シティハーフマラソン、桑田はスタートから先頭に立って集団を引っ張った。ラストで青木瑠郁(国学院大4年)に抜かれはしたが、攻めのレースで60分48秒の自己ベストをマークし、2位。

 レース後、大八木弘明総監督からは、「あそこまで行ったら勝ち切らないとダメだよ。力はお前の方があるんだから。今日は85点、もうちょっと勉強だな。勝てる選手にならないと」と厳しくも愛のある言葉で迎えられたが、桑田はテスト結果をまずまずで終えられたかのように、ホッとした表情を浮かべた。

出雲駅伝での失速の大ショック

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「出雲駅伝の後、1週間はやっぱりかなり落ち込みました」

 今シーズン、駒澤大は大学3大駅伝の3冠達成が目標だった。

 その初戦となった10月13日の出雲駅伝。1区の谷中晴(2年)と2区の帰山侑大(4年)が流れを作り、3区の桑田に襷渡しをした時点では、2位だった。だが、桑田が区間9位の走りで7位に転落し、いい流れを止めてしまったのだ。チームは5位に終わり、レース後、桑田は涙で、その責任を噛み締めていた。

「仮に全日本で走っても、チームにとってはプラスマイナスゼロになるだけ。桑田を外して全日本に勝ち、上尾で復活したらチームにとってはプラス2にも3にもなる。チームにとってはプラスが多い方がいいので、全日本は外すと彼に伝えました」

 藤田敦史監督がそう決断し、桑田はつづく全日本大学駅伝のメンバーから外れた。

先輩や周囲の支えで復調

 普段、桑田は大八木総監督が指導するランナーチームのGgoatで練習している。だが出雲駅伝以降、チームの練習にも参加するようになった。次世代のエースの不調を4年の山川拓馬主将らが気に掛け、一緒に走るなどしてモヤモヤする気持ちの受け皿になってくれたのだという。

 同じくGgoatに参加する、駒澤大OBの篠原倖太朗(富士通)からもアドバイスをもらい、両親や地元の友人にも支えてもらった。そういう中で今回、復調できた要因は何だったのだろうか。

【次ページ】 やっと自分のスタートラインに立てた

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