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「むっちゃくちゃ不安でした」ドラフト会議で3位指名…最速147キロ左腕はなぜ「高校生でトミー・ジョン手術」を決めた? 背景にあった“全員一致の目標”秘話 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2025/11/11 06:01

「むっちゃくちゃ不安でした」ドラフト会議で3位指名…最速147キロ左腕はなぜ「高校生でトミー・ジョン手術」を決めた? 背景にあった“全員一致の目標”秘話<Number Web> photograph by JIJI PRESS

オリックスからドラフト3位指名を受け笑顔を見せる健大高崎の佐藤龍月。在学中にトミー・ジョン手術に踏み切る大きな決断をしていた

 それは、佐藤のバックボーンが、紆余曲折を経て形成されたものだと知っているからだ。

 彼は利き腕である左ひじの側副靱帯を再建するトミー・ジョン手術を行っている。

 多くの高校生が最後となる3年生の夏の大会後に踏み切る大手術を、佐藤は2年生で経験した。

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 この手術のためひじにメスを入れれば、実戦復帰まで1年から1年半は要すると言われる。そんななか、佐藤本人はもとより、生方をはじめとする健大高崎の指導者たちも腹を決めたわけである。

 この選択をしていなければ、佐藤はおそらくドラフトで指名されることはなかったはずだ。それほど「オリックス3位」という答えは、彼らにとって大きな意味を持っていた。

なぜ「在学中にトミー・ジョン手術」を決断できた?

 では、なぜ佐藤は高校在学中の「手術」という決断ができたのか。なぜ指導者たちはその背中を押すことができたのだろうか。

 その裏側には、全員一致の「ある想い」があった――。

<次回へつづく>

#2に続く
「高校野球が全てじゃない」ドラ3左腕はなぜ高校生でトミー・ジョン手術を決断できた? ウラ側にあった指導者の想い「自分のような選手は出したくない」

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