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どうなる渋野日向子「頭を抱えちゃうぐらいボロボロなんで…」スマイル炸裂した6年前から何が変わった? 数字で見えた渋野の“不思議な特徴” 

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田中宏治

田中宏治Koji Tanaka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/10/30 11:02

どうなる渋野日向子「頭を抱えちゃうぐらいボロボロなんで…」スマイル炸裂した6年前から何が変わった? 数字で見えた渋野の“不思議な特徴”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

国内ツアー4連戦目となる三菱電機レディス(10月31日〜)に出場する渋野日向子

 今後の欠場者次第では国内開催の米女子ツアー『TOTOジャパンクラシック』(11月6日~)出場の可能性が残っているものの、先述の通り、来季もアメリカでプレーするために残されたチャンスは現状1試合だけ。上位フィニッシュを果たし、シード、あるいは準シードを得られなければ、12月の最終予選会(Qシリーズ)に回ることになる。いずれにしても一発勝負。メジャーとは意味合いは違うが大舞台に強い渋野らしさを発揮するしかないだろう。

 渋野は11月15日に27歳の誕生日を迎える。まだ27歳。仮に日本ツアーに戻ることになっても、再挑戦のチャンスは残されているように思える。ただ、選手たちの感覚では“まだ”ではなく“もう”なのだろう。

 同い年の原英莉花は「ラストチャンスかもしれない」と今季は米女子ツアー下部のエプソンツアーでプレーし、来季のレギュラーツアー昇格をつかんだ。残された時間は決して多くないという焦燥感が渋野の「頭を抱えちゃうぐらいボロボロなんで」という言葉から感じられた。

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 国内で人気を誇る原は初めてのアメリカでの生活を振り返り、こんなことも話していた。「ウエアでも外を歩けるし、自由に過ごしてました」。同じようなことはかつて石川遼からも聞いたことがある。日本でスター選手として過ごすよりも、コースを離れれば、アメリカの方がむしろ気楽。それ故にゴルフにも集中できるというのも理解できる。多くのファンも、渋野本人が望むのであれば、来季以降も米女子ツアーでプレーする機会を得てほしいと考えていることだろう。

 現状でシードボーダー80位との選手の差は100ポイント余りで、1試合で逆転するには6位以内でフィニッシュすることが必要。同様に準シードの100位との差は約17ポイントで37位相当。他の選手もポイントを獲得することを考えれば、実際にはさらに上の順位に食い込むことが求められる。渋野の今季ベストフィニッシュが7位(全米女子オープン)であることを考えれば、ハードルは高い。しかし、決して越えられないものではないはず。

 奇跡を起こせるか――苦しいシーズンの最後の最後で、もうひとつの武器であるスマイル、心の底からの笑顔が見られることを期待したい。

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#渋野日向子

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