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どうなる渋野日向子「頭を抱えちゃうぐらいボロボロなんで…」スマイル炸裂した6年前から何が変わった? 数字で見えた渋野の“不思議な特徴” 

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田中宏治

田中宏治Koji Tanaka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/10/30 11:02

どうなる渋野日向子「頭を抱えちゃうぐらいボロボロなんで…」スマイル炸裂した6年前から何が変わった? 数字で見えた渋野の“不思議な特徴”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

国内ツアー4連戦目となる三菱電機レディス(10月31日〜)に出場する渋野日向子

 渋野が最も安定した成績を残したのは本格参戦1年目の2022年。全英女子では再び優勝争い(3位)を演じている。この年はショットのスコアへの貢献度を示すストロークゲインド(SG)ティトゥグリーンが0.47だったのに対し、同じくパッティングの貢献度を示すSGパッティングはマイナス0.10だった。これは平均的な選手に比べて、1ラウンド当たり、ショットでは0.47打上回り、パットでは0.1打下回っているということ。つまり、日本で活躍した年とは長所と短所が入れ替わっていたのだ。

 面白いことに、翌年はこの数字が大きく変わる。ポイントランク83位と準シードに終わった2023年は、SGティトゥグリーンがマイナス1.17、SGパッティングが1.08と極端な形で再逆転した。オールラウンダーといえば、圧倒的な武器がない代わりに、弱点もないのが普通だが、渋野は武器も弱点もある特殊なオールラウンダーなのだ。

 これを踏まえて今季のスタッツを見ると、それぞれマイナス0.50とマイナス0.09。どちらも極端に悪い数字ではないが、マイナスである以上、武器とは呼べない。スコアメークの拠りどころがないことが、苦しい結果に繋がっている。

“新パター投入”は復調の兆しになるか

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 今後、どちらを武器に立て直しを図るのか? 渋野自身はそれをパッティングに求めているようだ。

 米女子ツアーのアジアシリーズに出場できなかった渋野は、10月は国内ツアーに参戦した。その初戦となった『スタンレーレディスホンダ』では新しいパターを投入。すぐに結果には繋がらず、予選落ちを喫すると「パッティングがボロボロ」と最大の修正ポイントに挙げた。その後の2試合は予選通過を果たしたものの、やはりパッティングに対する反省の弁が多く聞かれた。長いパットを沈める場面がある一方、3パットで流れを断ち切ってしまう場面もある。それが周囲にもグリーン上で苦しんでいるという印象を与えていた。

【次ページ】 もうすぐ27歳、渋野を待ち受ける“シビアな現状”

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#渋野日向子

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