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「昨日よりは前進できた」チームメート、フェルナンデスの初優勝を受け、小椋藍は今季残り3戦で何を狙うのか
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遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2025/10/23 17:00
右手首の骨折からなんとか回復し、オーストラリアGPでは13位で完走した小椋
そのマルクがいなければ他のドゥカティ勢が上位にくるのがセオリーだが、オーストラリアGPではフィリップアイランド特有の不安定な天候の中でドゥカティ勢が低迷。スプリントでは今季初めてトップ3に入れず、対照的にアプリリア勢はベゼッキが1位、フェルナンデスが2位と奮闘した。
決勝ではベゼッキが2度のロングラップペナルティ(インドネシアでマルクを転倒させたため)で3位になるのがやっとで、フェルナンデスはそのチャンスを生かして初優勝した格好だ。ドゥカティ勢は決勝レースでファビオ・ディ・ジャンアントニオが2位、アレックスが4位と苦戦。バニャイアは転倒リタイアに終わった。
こうしたリザルトの不安定さの理由は、ライダーたちのコメントによれば、フロントタイヤのパフォーマンスにあるようだ。
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そこで、怪我から復帰したばかりの小椋藍に、復帰戦を終えた感想とアプリリアの現状、リザルトがめまぐるしく変わるMotoGPクラスについて聞いてみた。
アプリリアはテストから良かった
「アプリリアはウインターテストから良かったと思う。ベゼッキはウインターテストのときから速かったので、(中盤戦以降の)成績は予想できたし驚きはない。ラウルも今年は徐々に調子をあげていた。オーストラリアで優勝するとは思わなかったけれど、ベゼッキのWロングラップもあったし……。ただ、今大会のラウルは(無理をしない、限界を超えないという)ペースのマネージがしっかり出来ていたし、それ以上のスピードがあったからこそ結果を残せたんじゃないかと思う。その速さはどこから? と聞かれたら、それはやっぱり自信なんだと思う」
そして怪我からの復帰戦となった自分自身のことについては、「今大会は転倒もなく全セッションを走れて良かったし、次のセパンに向けていろいろと準備は出来たと思う。次のマレーシアではレースらしいレースをしたい」と語ってくれた。まだ完全ではない右手のことなど、100%の走りが出来ない理由はいくつもあるはずだが、その点については、小椋らしく多くを語らなかった。

