凱旋門賞“まさかの14着惨敗”クロワデュノールの敗因を探る「馬場でも、臨戦過程でもなく…」“日本馬最先着”5着ビザンチンドリームは「型を貫いた」

　またも世界最高峰の頂には手が届かなかった。

　日本競馬界の悲願、第104回凱旋門賞（10月5日、仏パリロンシャン芝2400m、3歳以上GI）が17頭で争われ、地元フランスのダリズ（牡3歳、父シーザスターズ、フランシスアンリ・グラファール厩舎）が優勝。アイルランドのミニーホークとの激しい叩き合いを制し、レース史上初となる親仔3代制覇をなし遂げた。

　日本から3頭が出走していたが、内から伸びたビザンチンドリームの5着が最高。ダービー馬クロワデュノールは14着、クリストフ・ルメールが騎乗したアロヒアリイは16着に終わった。

凱旋門賞のゴール直前、激しく叩き合うダリズ（外）とミニーホーク　©AFP/JIJI PRESS

クロワの“敗因”は馬場でも、臨戦過程でもない？

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　今回出走した3頭の日本馬はみなフランスで前哨戦を勝っており、期待が大きかっただけに、敗戦のショックも大きかった。

　なかでも、今年のダービー馬クロワデュノール（牡3歳、父キタサンブラック、栗東・斉藤崇史厩舎）は、この凱旋門賞を勝ったダリズを前哨戦のプランスドランジュ賞で負かしていただけに、14着に惨敗したのが不可解に感じられたと同時に、ひどく残念に思った。

　ダリズとは、それぞれの母国での走りや、前哨戦の結果から、実力自体は同じ3歳馬として互角以上のはずだ。にもかかわらず、これほど大きな差がついてしまったのはなぜだろう。

今年のダービーを制したクロワデュノールと北村友一　©Keiji Ishikawa

　パドックを周回していたときには青空がひろがっていたのに、発走直前に強い雨が降り出し、馬場をさらに重くした。と、馬場のせいにしたいところだが、クロワデュノールが勝った前哨戦も2000mで勝ちタイムが2分11秒69という、日本より十数秒時計がかかる、力のいる馬場状態だった。

　惨敗の理由が馬場ではないとすると、前走から中2週とレース間隔が詰まっていたことか。いや、相手も同じ条件なのだし、日本にいるときと違い、シャンティイの深い森のなかで調整されると、馬の疲れの取れ方や、落ち着きの度合いが大きくなり、間隔の短さがマイナスにはならないはずだ。

　レース運びはどうだったか。大外17番枠から勢いよく飛び出し、序盤は掛かり気味になり、鞍上の北村友一が手綱を引きながらの競馬となった。

　レース後、北村は、「前に馬を置いてリラックスさせる競馬をしてきた馬だけに、そうした形に持ち込めなかったことが響いた」とコメントしている。もともとスタートのいい馬なので、それを遅らせることは考えていなかったという。

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