「自分が間違ってるかもしれない」“プロでほぼ実績なし”Jクラブ監督がホンネで語る3年連続昇格の真相「ペップも人を大事にしますよね」

　J3栃木シティ（以下栃木C）を率いる今矢直城インタビューの第2回である（全3回／第3回につづく）。プロとしてさしたる実績のない今矢が、チームをどうやってここまで躍進させたのか。その理念と方法論を忌憚なき言葉で率直に語ってくれた。

9連勝がもたらした“信念の加速装置”

――栃木Cでの1年目、選手の理解は早かったということですが。その要因とは？

「やっぱり勝ったことは大きいんじゃないですか（笑）。もうやばいぞというところから、9連勝したんです。この成功体験が信念を加速させた。勝手にそう思っています」

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――アグレッシブなスタイルだと、自信をなくすと一歩が出にくくなる。その違いが大きかったということでしょうか。

「ミーティングなどで何を話すかはもの凄く大事だと思います。自分でもフィフティ・フィフティなら（守備ブロックを）下げた方がいいんじゃないかと思うこともあるなかで、迷うんだったら逆に前に行けと。それは振り返ってもブレなかったと自信を持って言えます。もし自分が『ちょっと下がろうよとか、ハイプレスもいいけど下がってもいいんじゃない』と言って、やりきれなかった場合に……。

　それで勝つこともありますよ（笑）。でもやりきって勝ちはじめた。運も良かったとはいえ、選手は自信をつけていった。スタッフや社長も全体像がイメージできるようになってきたんじゃないでしょうかね」

©Masashi Hara/Getty Images

――ブレることなく先を見ながら進み続けるのは、監督にとって一番大事なことだと思いますか。

「正しく見ることが大事です。パフォーマンスが悪いのであれば、大枠は変えなくとも、やり方やストラテジーを少しだけ変える。ブレないことも大事ですが、自分が間違ってるかもしれないという思いも常に大事です。

　攻撃的に行くために、なぜ変更するかをしっかり説明する。うまくいかないときは頑固になる必要はないと思います。冷静に分析して自分も疑わなければいけないです」

川崎にも怯まず…“自分たちのサッカー”を貫く

――1年目、目的は達成できなかった（関東1部リーグで優勝したものの、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ戦は3位で昇格を逃した）けれども、それがあるから今があるといえますか。

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