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《阪神・史上最速セ優勝》見逃しがちな独走要因…二冠王とMVP確実・佐藤輝明「23失策→5に激減」、球児采配ズバリ「圧倒的な投手陣運用」
posted2025/09/08 17:17
藤川球児新監督体制で2年ぶり7回目のセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガース。独走での最速優勝を飾った要因とは
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
まさに「時間の問題」ではあったが、阪神のセントラル・リーグ優勝が決まった。阪神の優勝は1936年のプロ野球草創期以来11回目、1950年の2リーグ分立後は7回目だった。
過去6回と今年の優勝を比べてみると
2リーグ分立後の7回の優勝について比較しよう。人名は監督、日付は優勝決定日。今年は7日現在。カッコ内の数字は以下すべて、リーグ内での順位。
2025年/藤川球児126試78勝45敗3分
率.634差17.0/9月7日
得437(1)失296(1)打率.245(3)
本80(3)防率2.12(1)
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2023年/岡田彰布143試85勝53敗5分
率.616差11.5/9月14日
得555(1)失424(1)打率.247(3)
本84(5)防率2.66(1)
2005年/岡田彰布146試87勝54敗5分
率.617差10.0/9月29日
得731(1)失533(1)打率.274(3)
本140(4)防率3.24(1)
2003年/星野仙一140試87勝51敗2分
率.630差14.5/9月15日
得728(1)失538(1)打率.287(1)
本141(5)防率3.53(1)
1985年/吉田義男130試74勝49敗7分
率.602差7.0/10月16日
得731(1)失593(3)打率.285(1)
本219(1)防率4.16(4)
1964年/藤本定義140試80勝56敗4分
率.588差1.0/9月30日
得492(3)失434(1)打率.240(5)
本114(4)防率2.75(1)
1962年/藤本定義133試75勝55敗3分
率.577差4.0/10月3日
得386(5)失330(1)打率.223(5)
本64(5)防率2.03(1)
じつは5月までは独走態勢ではなかった
戦力差が大きかった1リーグ時代はもっと高い勝率の年もあったが、2リーグ分立後は今年の勝率が最高。ゲーム差17.0も最大。9月7日の優勝決定は、2リーグ分立後最短。史上まれにみる圧勝と言ってよい。阪神は伝統的に「守り勝つ」チームである。12球団で最も広い外野を持つ甲子園球場を本拠地とするチームだけに、投手力が重要なのだ。
今季も打率、本塁打は3位だったが、防御率は1位だった。過去の優勝でもバース、掛布雅之、岡田彰布の中軸で打ち勝った1985年を除き、すべて防御率は1位だった。ただ、極端な「投高打低」の今季にあって、打率、本塁打も3位につけている。以下は月間での成績である。


