核心にシュートを!BACK NUMBER
「華やかな世界を私に…ありがとう」妻との“食事改革”で28ゴール→日本代表入りに愛息「パパすごいね!」ジャーメイン良30歳一家が得た幸せ
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2025/08/28 06:01
ジュビロ磐田時代のジャーメイン良。妻との肉体改造でFWとして飛躍し、日本代表の活躍を愛息も誇りに思っているという
主なところでいえば、白米の量。それまではその日の体調や空腹具合に応じて、白米の量を変えていた。それを栄養士から設定された量をはかり、一定量をとるようになった。これまでまちまちだったお茶碗に載る白米の量は、山盛りが定番になった。
他にも毎食、コップ1杯の牛乳も摂るようになった。それも普通の牛乳ではなく、低脂肪乳と決まっている。他にも品目数などいくつものマイナーチェンジがあった。体重も4キロほど増やすことができた。
何より大きかったのは、このタイミングで筋力トレーニングを大幅に見直したことだ。筋力トレーニングをする量は増やしたし、動き出しの一歩をしっかりとできるようにするトレーニングなども取り入れた。
ADVERTISEMENT
そして、センターフォワードとして起用される責任を胸に、コーチ陣の協力やアドバイスを仰ぎながら、いくつもの努力をしていった。クロスに入っていく際の効果的な動きや、ヘディングで合わせるためのコツなどがそれにあたる。
過去2年のリーグ戦で28ゴール…実った食事改革
その成果は確かに表れた。過去2年の記録を比べると以下のようになる。
2023年J2:リーグ戦9ゴール、266分に1ゴール
2024年J1:リーグ戦19ゴール、148分に1ゴール
アスリートの肉体・意識の改革などの努力はすぐには結果が出づらい。3カ月後に成果が出れば上出来で、半年から1年にわたって積み重ねてようやく成果が出始めることもよくある。むしろ、2023年の間に成果が出始めたのは、手放しで称賛されるところだ。
周囲がアッと驚くようなトリッキーなプレーをできるわけではない。ただ、監督の求める仕事に応えるのは得意だし、そこにやりがいを見出せる。自身は創造的なタイプではないとジャーメインは考えていることや、性格も関係しているのかもしれない。
森保監督も思わず「すごい!」の一撃
ちなみにジャーメインは先のE-1選手権、ゴールの質と量で森保一監督を驚かせたことで話題となった。22分に左足で放ったシュートが左下隅に決まった。香港戦の22分間で3ゴールの活躍と、味方からのボールをペナルティエリアにさしかかるところから、ダイレクトで決めたファインゴール。カメラは、直後の森保監督をアップで捉えている。
映像を見返す森保監督がこう口にしているのがハッキリ確認できる。
「おー」
そのあと、監督は拍手を送った。そして、手元のメモに何かを書き込みながら、口元の動きからはこんな独り言を発したと見受けられる。

