「揉め事になるのは“言い方”の問題」…今夏の甲子園“同時に2校を全国に導いた”27歳コーチが語った指導の肝は？「上からじゃなく、同じ高さで」 

自分の考えを「自分の言葉で伝える」重要さ

　そういう雰囲気を、「今の現場」にも持ち込みたいという。

「はね返りっていうんですか。活気、元気の良さでもいいんですけど、こっちからのパーン！に対して、プラスアルファーのパーン！で返してくるような言葉のやり取り。うわべだけの『はい！』じゃない、指導者、選手両方の納得と理解につなげるためのコミュニケーションですね、目指したいのは。

　志峯の選手にも、自分の感じてること、考えていることを、自分の言葉で伝える。大切にしていきたいと思ってるんです。だんだん言わなくなる指導者が多くなってる時代ですけど」

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　言葉を持ってる生きものって「人間」だけじゃないですか。

　こういう「いい事」を、この若者はときどきボソッとつぶやく。

北北海道代表として甲子園に出場した旭川志峯　©JIJI PRESS

　夏の甲子園を終えて旭川に戻り、秋の新チームになった旭川志峯高で、原田先生は野球部副部長から「野球部長」に昇進した。

　監督、部長として32年指導を続け、チームのシンボル的存在だった端場雅治先生が、「教頭先生」としての職務が忙しくなり、後進に道を譲ることになったからだ。

「これぐらい、いいか……じゃなくて、耳の痛いことでも、繰り返しでも、それが出来るようになるまで、こっちがめげずに言うことが大事なんだと思います。それは、自分も尽誠学園で指導をしてきて、しみじみわかってるんで。

　それが何か揉め事になるとしたら、それは言い方の問題なんだっていうことも、わかってますから。上から言うんじゃないんです、同じ高さで伝えるんです」

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