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「さすがに驚かせられたんじゃないかと」中谷潤人が語った西田凌佑との世界王座統一戦“激闘の真意”…空振りでニヤリも「自分のことが面白くなって…」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/08/20 11:05
WBC・IBF世界バンタム級統一王者となった中谷潤人が、西田凌佑との統一王座戦「激闘の舞台裏」を明かした
「外側からのパンチを凄く集中して打っていたので、西田選手が外だと思ったんじゃないですかね。内側が空いたので(ワンツーが)スムーズに出ました。効いたんじゃないかって手応えはありました。外側から打つ練習をずっとやってきたなかで、外のパンチが当たらなくなってきたら、逆のことをすれば当たる。振れ幅が大きければ大きいほど当たる。ちょうどそのタイミングで出せたパンチでした」
空振りでニヤリ「あれは、さすがに…」
仕留めに掛かるも、さすがにそこまではやらせてくれない。ラウンドの最後、大きなモーションで放った右フックを空振りしてゴングが鳴ると、ニヤリと笑った。余裕を感じさせるスマイルだった。
「あれは、さすがに大振りしすぎちゃったなって。自分のことが面白くなって、自然とあんなふうになってしまいました」
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ヒリヒリするような緊張感がありつつ、試合を楽しんでいる自分がいた。だからその感情が思わず表に出てしまったのだ。
「ちょっとでもスペースがあったら、お互いにパンチを振っていけるので凄く細かい駆け引きがありました。クリンチしてブレイクが掛かっても、なかなかお互いに離れられない。お互いにスペースができた瞬間を狙っているわけなので。ここまでのヒリヒリ感は過去になかったものです。でも5ラウンドには、西田選手の集中力が低下しているのが分かりました。クリンチから離れる際の打ち込みとか、返しの速さとか遅くなっていると感じましたから」
コーナーに座っても、中谷の表情から笑顔がこぼれた。激戦に、終わりのときが近づいていた――。


