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阪神タイガースは創設90年でついに「セ10年間の最強球団」になるか…「少しの不振で戦犯探し」長期的チーム育成が根付かなかった根本的原因 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/08/02 11:02

阪神タイガースは創設90年でついに「セ10年間の最強球団」になるか…「少しの不振で戦犯探し」長期的チーム育成が根付かなかった根本的原因<Number Web> photograph by JIJI PRESS

藤川球児監督のもとでセ・リーグを独走する阪神タイガース。1リーグ制時代と10年間ごとの成績を見てみると、興味深い傾向が見えてくる

【1990~99】
巨人1317試715勝600敗2分 率.544優3平2.4
ヤクルト1322試694勝621敗7分 率.528優4平2.8
中日1321試672勝643敗6分 率.511優1平3.2
広島1321試653勝662敗6分 率.497優1平3.4
横浜1321試650勝665敗6分 率.494優1平3.9
阪神1320試561勝754敗5分 率.427優0平5.1

 野村克也率いるヤクルトが優勝回数で巨人を抜いた。中日、広島、横浜も優勝したが、阪神は「暗黒時代」を迎える。99年にはヤクルト全盛期を築いた野村克也を監督に迎えるも、テールエンダーに終わった。

21世紀に入り成績が安定…2020年代は最強かも?

【2000~09】
巨人1417試761勝627敗29分 率.548優5平2.2
中日1417試749勝641敗27分 率.539優2平2.3
阪神1418試727勝659敗32分 率.525優2平3.3
ヤクルト1418試697勝695敗26分 率.501優1平3.3
広島1418試638勝745敗35分 率.461優0平4.9
横浜1418試588勝802敗28分 率.423優0平4.9

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 21世紀にはいり星野仙一監督が就任してから成績は上向きになり、2003年と岡田彰布監督が率いた2005年にリーグ優勝。落合博満監督率いる中日が巨人と「2強」になる中、それに続く地位をキープした。

【2010~19】
巨人1435試764勝622敗49分 率.551優4平2.1
広島1435試720勝674敗41分 率.516優3平3.1
阪神1435試692勝698敗45分 率.498優0平3.3
中日1435試670勝713敗52分 率.484優2平3.8
ヤクルト1435試646勝743敗46分 率.465優1平4.1
DeNA1435試614勝779敗42分 率.441優0平4.6

 巨人は依然として強く、広島は2016~18年にかけて3連覇。落合監督が退任するまでの中日も優勝2回を記録。阪神は2007年から始まったCSには出ることが多いが、リーグ優勝は一度もなし。「弱くないけど強くもない」という状態だった。

【2020~24】
阪神692試364勝296敗32分 率.552優1平2.0

巨人692試344勝308敗40分 率.528優2平2.6
DeNA692試328勝334敗30分 率.495優0平3.6
広島692試323勝333敗36分 率.492優0平4.0
ヤクルト692試313勝340敗39分 率.479優2平3.6
中日692試297勝358敗37分 率.453優0平5.2

 2020年代はまだ5年だが、現時点で阪神は勝率では1位。23年に岡田彰布監督が再任してARE(優勝)をしてから安定した強さを誇っている。今季は早くもマジック点灯目前だが、初めてディケード(10年)の勝率1位を狙えそうだ。

通算成績では辛うじて5割の3位だった

 2リーグ分立後2024年までの6球団の通算成績はこのようになる。

【次ページ】 少しの不振で戦犯探し→体制が長続きしない

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