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スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
ラグビー界に警鐘「このままでは日本代表は弱くなる」元代表SH田中史朗が提言する“W杯キャップ”の導入とは?「“ONE TEAM”とは何だったのか」
posted2025/07/10 11:01

元ラグビー日本代表・田中史朗氏が疑問視するラグビーリーグワンのカテゴリー改正。日本代表の強化にも影響を及ぼしかねない、と危惧している
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kiichi Matsumoto
マフィ、具智元、レメキ——W杯で活躍した海外出身のジャパン戦士たちが新制度の影響を受ける現実。田中史朗が懸念する日本代表の将来と、彼が提案する改善策の中身とは?【NumberWebインタビュー全2回の後編/前編から読む】
マフィも具もレメキも…
優遇措置となるカテゴリA-1の選手は、リーチ マイケル(87キャップ)、ヴァル アサエリ愛(30キャップ)など、ごく一部の選手に限られる。一方、カテゴリA−2に分類される選手たちの顔ぶれがすごい。
《日本代表キャップ数によってカテゴリA-2に該当する主な選手》
アマナキ・レレイ・マフィ(トンガ)29C
具智元(韓国★)29C
ディラン・ライリー(オーストラリア)29C
ラファエレ ティモシー(サモア★)28C
ワーナー・ディアンズ(ニュージーランド)22C
ジャック・コーネルセン(オーストラリア)21C
レメキ ロマノ ラヴァ(ニュージーランド★)20C
ピーター・ラブスカフニ(南アフリカ)19C
※カッコ内は出身国。★は日本国籍取得(キャップ数は2025年7月6日現在)
2015年のW杯南アフリカ戦で逆転のトライを演出したマフィ、2019年大会の準々決勝進出に大いに貢献した具、ラファエレらがこのカテゴリに分類される。たしかに、彼らは日本代表の歴史の重要な一部だ。田中はいう。
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「海外からやってきて、家族を犠牲にしてでも、日本ラグビーのために全力を尽くし、すべてを捧げてきた彼らの姿を僕は間近で見てきました。2015年、2019年のW杯で活躍してきた仲間がA−2に分類されたことで、『えっ、自分はA−1じゃないのか?』と感じるのだとしたら、これまでの彼らの努力や思いに応えられていないんじゃないかと、心配になります」
田中は現場で彼らの葛藤を見てきた。