酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平と山本由伸を夏休み観戦するなら…「QRチケットはネット通信必須」「LA市内ショップが穴場」じつは知らないドジャースタジアム豆知識
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byMeg Oliphant/Getty Images
posted2025/07/10 17:00
大谷翔平の二刀流復活で熱気がさらに漂うドジャースタジアム。筆者が観戦して感じたこととは
係員のおじさんが列を回っている。筆者の前に、浦和レッズのユニフォームを着た親子連れがいた。その期間にアメリカ西海岸でやっているFIFAクラブワールドカップの応援に来て、そのついでにドジャースタジアムに回ったのだろう。透明でないバックパックを身に着けて並んでいたが、係のおじさんが父親に「このバッグじゃ球場に入れないよ」と声をかけた。
「え? どうすればいい」
「持って入れないから、捨てるか、コインロッカーに入れてくれ」
ADVERTISEMENT
となった。しかしコインロッカーは球場には1カ所しかなく、そのゲートからは遠い。
「どうしよう」と親子が途方に暮れていると、計ったかのようなタイミングで、ドジャースのロゴの入った透明バッグを売り歩きする髭面の男がやってきて、父親は「地獄に仏」みたいな感じで買っていた。商売がうまいのだ。
手荷物検査では、伸ばして6インチ=15.24cm以上のレンズサイズのカメラも持ち込めない。筆者はちょっと大きなカメラを持っていたので、どきどきしたが大丈夫だった。応援グッズなども一切持ち込めない。
透明バッグの中の財布やパスケースを自分から開けて見せれば、心証が良くなり、通りやすくなる。ただ手荷物検査の精度は係員によっても違うようだ。飛行機に搭乗するときのように金属探知機のゲートをくぐれば無事入場となる。
名物ドジャードッグ…いてまえドッグより小さい
【観客席】
筆者は3階、リザーブの席だった。NPBの試合なら、座席を確認したらそこに荷物を置いて買い物に出たりするが、アメリカではそれはあり得ない。座席を確認して、荷物を持って席を立つのが基本だ。シートは広くない。横に大きいおじさんおばさんが来ると、かなり大変になる。
で、野球場と言えばビールである。とはいえ日本のようなサーバータンクを背負ったビールの売り子はおらず、生ビールをサーバーからカップに注いで――みたいなのもない。冷蔵ケースに入っている缶ビールを自分で取って、レジで支払いをする形だ。
アメリカではビールを買うときには身分証が必要で、スーパーでもパスポートを見せてビールを買う。スタジアムの中でも建前上はそうなっているのだが、実際には身分証を確認されることはなかった。球場内もキャッシュは一切使えない。レジでクレジットカードを提示すると、おじさんがプシッと缶を開けてくれる。
名物の「ドジャードッグ」は――京セラドームの「いてまえドッグ」より小さい。


