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「に、22歳でタイトル30期…」七冠・藤井聡太の“異次元ペース”に観る将マンガ家が騒然「母になった福間香奈“女流六冠”もスゴすぎる」
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千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by日本将棋連盟/Junsei Chida
posted2025/07/03 06:00
6月の将棋ハイライト。イラストは関連記事からもご覧になれます!
開幕局となったのは20日、永瀬拓矢九段と中村太地八段のカードでした。YouTubenなどで示す評価値だと“中村やや有利”で進んでいたようですが――最終的な軍配は永瀬九段にあがりました。
名人戦や竜王ランキング戦など4~5月のハードスケジュールをこなしてもその強さ、さすがというほかありません……。加えて23日の近藤誠也八段と千田翔太八段のカードでは、A級デビュー戦となった近藤八段が少し時間に遅れたんですが、千田八段が「結婚おめでとうございます」と迎え入れる様子には、新婚同士という同じ立ち位置だからこその優しさが見えました。
そしてなによりの注目はヒザの負傷、手術をしていた渡辺明九段が、いよいよ休場から復帰予定となっています。ファンとしては40代唯一となるA級棋士の渡辺九段を、ぜひ見たいところです。
王座戦は藤井-羽生か、藤井-伊藤か?
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また、藤井七冠が保持する王座戦。その挑戦者決定戦は、羽生善治九段と伊藤叡王の対戦に決定しました(7月3日に対局)。タイトル獲得通算99期を誇る伝説の羽生九段が勝利し、2023年王将戦以来となる「藤井vs羽生」のタイトル戦となるのか。それとも伊藤叡王が、“藤井八冠”独占崩しとなった2024年の叡王戦に続き、2つ目のタイトルを藤井七冠から奪うのか……。どちらのカードになったとしても世代を超えた好カードの実現に、将棋ファンの期待は高まるばかり。
女流棋戦では福間香奈女流が女王を獲得、女流王位戦では7連覇を達成し、2022年以来の女流六冠となりました。母となって以降の抜群の強さ……畏敬の念を持つほかありません。
「子どもが生まれてから、時間の使い方が変わりました。集中して取り組む時間が限られているからこそ、より効率的に研究するようになったのかもしれません」
福間女流六冠はこうも語っているそうです。育児と棋士活動の両立という難題に挑みながら、むしろ以前より強くなっているという福間女流六冠の活躍は、多くの働く女性に勇気を与えているのでは――とも。
3)女性初…清水市代会長体制が楽しみ
女性の活躍と言えば……日本将棋連盟の新会長に、女性初となる清水市代女流七段が就任しました。長年女流棋士として活躍し、NHK杯の聞き手などでもおなじみの清水新会長。棋聖戦第3局ではさっそく会長としての姿が見られました。

