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「自信にしていいと思います」交流戦のチーム打率は12球団中トップ! カープ新井監督がリーグ戦再開で取り組む課題とは

posted2025/06/24 06:00

 
「自信にしていいと思います」交流戦のチーム打率は12球団中トップ! カープ新井監督がリーグ戦再開で取り組む課題とは<Number Web> photograph by JIJI PRESS

好調な打線を牽引するファビアン。ドミニカ出身の27歳

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 広島は交流戦を9勝9敗、勝率5割の7位で終えた。セ・リーグ6球団の中では最高勝率。セ6球団すべてが下位に沈む寂しい結果において、健闘と言えるのかもしれない。リーグ順位も交流戦前の4位から2位タイに浮上し、リーグ戦再開に臨む。

 パ・リーグ6球団との18試合を振り返ると、広島は打線の活発さが際立った。チーム打率.265は12球団トップで、総得点は優勝したソフトバンクに5点差の74点。西武の今井達也、武内夏暉、日本ハムの伊藤大海など、好投手を攻略した試合もあった。新井貴浩監督も攻撃陣には一定の手応えを感じている。

「初見の投手が多い中、自分たちから攻撃的にどんどんスイングを仕掛けてくれた。自信にしていいと思います。打線は開幕当初よりも攻撃力が上がっている」

打線の鍵を握る2人の外国人

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 昨季は期待外れに終わった外国人野手が、今季は2選手ともに欠かせない戦力となっている。不調から復調した小園海斗を3番に戻せたことで、リーグ2位の打率を誇るサンドロ・ファビアンを2番に据えた攻撃的布陣を組めている。2番から6番までを固定メンバーで戦えていることが打線の安定感につながっている。その中でファビアンは打率だけでなく、安打数や得点数、本塁打数とすべてチームトップの数字を残し、チャンスメークだけでなくクラッチぶりも発揮している。

 もう1人の助っ人、エレフリス・モンテロは交流戦では打率.264だったものの、7日の西武戦から4番に定着した。交流戦で無安打だった6試合においてチームは1勝5敗。一方、モンテロが1本でも安打を放った試合は8勝4敗と、勝敗を大きく左右する存在となっている。

 昨季の交流戦は10勝すべてが先行逃げ切りで、逆転勝ちは1試合もなかった。一方、今季は12球団最多タイとなる4勝を逆転でつかんだ。昨季にはなかった“助っ人の力”が、打線全体に粘り強さや反発力をもたらしている。

 打線の中心にどっしりと座るモンテロは、リーグ戦再開後の攻撃の鍵を握る選手のひとりだ。スイング時に上体がホームベース側に突っ込み、左膝が開くなど、技術的な修正点は明確にあるが、リーグ戦再開までの期間での改善と得点源としての活躍が求められる。

 一方、チーム防御率3.94は12球団でワーストだった。交流戦前までの49試合では、先発陣のクオリティースタート(QS)達成率は67.3%(33試合)だったが、交流戦では44.4%(8試合)にとどまった。森下暢仁、床田寛樹がそろって2勝を挙げるなど2枚看板が面目を保った一方で、先発6番手と期待されたアドゥワ誠、ジョハン・ドミンゲスがいずれも試合をつくることができず、6番手不在のままリーグ戦再開を迎える。

【次ページ】 待たれる守護神の復調

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