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長嶋茂雄・逝去で思い出す“愛息・長嶋一茂伝説”…「試合前のフリー打撃で金が取れる」ヤクルト元スカウト部長が語る「本当の評価」と「父との共通点」

posted2025/06/19 06:00

 
長嶋茂雄・逝去で思い出す“愛息・長嶋一茂伝説”…「試合前のフリー打撃で金が取れる」ヤクルト元スカウト部長が語る「本当の評価」と「父との共通点」<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

父と同じ背番号3を背負ったヤクルト時代の長嶋一茂。「レジェンドの息子」をドラフト1位指名した辣腕スカウトはどう評価していたのか

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NumberWeb編集部

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 6月3日、「ミスタープロ野球」として愛された長嶋茂雄さんが亡くなった。現在は芸能界で活躍する長男・一茂氏は、1987年にヤクルトから「ドラ1指名」を受けプロ野球界に飛び込んでいる。“スーパースターの息子”という肩書が先行しがちな状況だったが、実際にそのプレーを目にしたスカウトはどんな評価を下していたのか。かつて敏腕スカウトが語っていた「本当の評価」――そのダイジェスト版をお届けする。

◆◆◆

「一茂はなぁ……試合前のフリーバッティングだけで金取れるヤツやったで。ああ、そりゃあどこの大リーガーが打ってるんやってぐらい、ガンガン飛ばしよってなぁ。それが、試合始まると、さっぱりや」

 ヤクルトの故・片岡宏雄元スカウト部長は、1987年のドラフト会議で長嶋茂雄の息子・一茂を1位指名した人物である。

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 片岡氏は生前、一茂の長打力を称して「試合前のバッティング練習を見せて『金取ったらええのに』と思ったの、一茂とG.G.佐藤だけや」と評価していた。

「野球が“真っすぐだけ”の国、行っとったら1億円プレーヤーや」とも片岡氏は語っていたという。40年近く前の「1億円」だから、現代なら3億円クラスの評価だろうか。

「あれだけ外の変化球が見えてへんのに、2割は打ってたやろ、一茂。あんたら、たった2割かって笑ってるけどな、プロで2割打つって、どんだけしんどいことか知らんやろ」

 一茂のストレートを捉える目は「学生時代から一級品」だったそうだ。投球の約半分しか来ない速球を待って、プロの150キロ近い速球をヒットに持ち込む。そんな「集中力」を、片岡氏は人知れず高く評価していた。

「あの長打力、あの体格……それと、あの独特のムードな。大物感や。大物感があったから、三振しても、エラーしても、人の倍ぐらい叩かれる。あれはしんどかったやろ」 

 名選手の息子という宿命を背負った長嶋一茂。片岡氏はその素顔を冷静に、しかし温かい眼差しで語っていた。そして、実は偉大過ぎる父とはたったひとつだけ、歴戦のスカウトの目から見ても「よく似ていた」ところがあったという。

「オヤジさんに似とったのは、そこだけや――」

 では、辣腕スカウトが評した父子の共通点とはいったいどこだったのか。

<続く>

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