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「ミトマ巨大フラッグが!」三笘薫欠場ブライトン現地観戦→負けて気づく“偉大さ”…「はぁ?」鎌田大地を観る前には“まさかの事件”
posted2025/06/15 17:01

3月のバーレーン戦での鎌田と三笘
text by

大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph by
JIJI PRESS
ミトマ巨大フラッグが…だけど
爆音とともに火柱が何本も立つ。熱気が顔に伝わった。大型ビジョンにブライトンの選手が背番号の若い順に一人一人紹介され、そのたびに大きな歓声が沸く。22番の三笘が徐々に近づいてくる。
すると、ゴール裏に三笘のイラストが描かれた巨大なフラッグが現れた。
キター!!!
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すげえじゃん、こんな日本人選手が過去にプレミアリーグでいたか? 興奮が最高潮に達する。
あれ? 20番のカルロス・バレバの次が27番のマッツ・ウィーハー? おいおい、三笘が紹介されてないよ。どういうこと? 全選手が一覧になったが、三笘の写真がない。しかもサブのメンバーにも名前がないでないか。はあ? ベンチ外?
後でわかったのだが、三笘はかかとのケガでこの節は大事を取ったのだという。オーマイガー(なぜか英語)。わざわざ日本から来たのに、というのはこちらの勝手な都合だ。ケガならば仕方がない。
三笘が欠場だったからこそ分かる偉大さ
とはいえレギュラーの三笘が出場しなかったショックは大きかった。ゴールシーンは盛り上がったが……。1-1の引き分けで、ホームのブライトンは勝つことができなかった。
三笘が出なかったからじゃね?
ほぼ言いがかりと自覚しているとはいえ――帰路の足取りは重かった。周囲の日本人グループの肩も落ちているように映った。三笘は何も悪くないが、彼への期待はあまりに大きく、その分、失望も大きいのだ。逆説的な言い方をすれば、これだけ人をがっかりさせられる三笘が偉大ということである。
でも、サッカー観戦ってこういうものだったよな。いつだって思い通りにはならず、フラストレーションばっかり。それでもまたスタディアムに足を向けてしまうのがサッカーの魅力だ。三笘のサイドから中央に切り込んでいく美しい疾走を何度も何度も夢想しながら、私はロンドン市内に戻った。