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“理不尽すぎる”星野仙一「20キロやせねえとユニ着させねーぞ」「お前分からんのか!」本塁打王確定の夜に飛び蹴りを食らった山崎武司の記憶
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byMakoto Kemisaki
posted2025/06/13 17:30
中日監督時代の星野仙一。当時を知る山崎武司が受けた“理不尽命令”とは
中日が残り2試合、巨人が最終戦となった直接対決。この試合前、星野は山崎に「松井(秀喜)を全打席で敬遠させる。その代わり、お前は絶対に本塁打を打てよ!」と厳命した。星野の指示通り松井は全打席四球。山崎はこの試合を3打数無安打で終えたが、結果的に1本差のまま逃げ切り、山崎は本塁打王に輝いた。しかし試合後、本塁打を打てなかった山崎は星野の部屋に呼び出され、バスタオル姿の監督から飛び蹴りを食らった。
「お前、野口がどんな気持ちで敬遠したのか分からんのか!」
その後、山崎の成績は上昇と下降を繰り返す。そのピークとなったのは楽天へ移籍後の2007年、38歳で自己最多の43本塁打、108打点を記録し、二冠王と史上3人目となるセ・パ両リーグでの本塁打王を達成した。
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中日時代は「なぜ打てたのか分からなかった」という山崎が、楽天で野村克也監督と出会って進化した軌跡がそこにあった。
長嶋茂雄に憧れた18歳の波乱に満ちた野球人生
本編では長嶋茂雄らを筆頭に巨人に憧れた18歳の少年が、人生の大きな岐路で下した決断から、27年間のプロ生活で403本の本塁打を放つまでの山崎武司の波乱に満ちた野球人生が描かれている。〈つづく〉

