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「筋肉が重すぎると走れなくなるかも…」女子400mで“17年ぶり日本記録超え”&2年連続学生No.1…21歳フロレス・アリエの「意外なトレーニング」とは?

posted2025/06/09 17:01

 
「筋肉が重すぎると走れなくなるかも…」女子400mで“17年ぶり日本記録超え”&2年連続学生No.1…21歳フロレス・アリエの「意外なトレーニング」とは?<Number Web> photograph by Asami Enomoto

今年5月の静岡国際女子400mで17年ぶりに日本記録越えを果たした日体大3年のフロレス・アリエ。その後も日本インカレで学生王者に輝くなど実力は本物

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NumberWeb編集部

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Asami Enomoto

 今年5月の静岡国際陸上女子400mで、実に「17年ぶり」となる日本記録超えのタイムをマークした日本体育大学3年のフロレス・アリエ。父はペルーと日本、母がイタリアとペルーにルーツを持ち、現在は日本国籍取得を申請中だという21歳の新星が、NumberWebのロングインタビューに応じた。そのダイジェスト版をお届けする。

◆◆◆

  5月3日の静岡国際陸上女子400mで日本記録を0.04秒上回る51秒71で優勝した日体大3年フロレス・アリエ。その後に開催された関東インカレでも400mと200mの2冠に輝くと、6月に岡山で行われた日本インカレでも「7月の日本選手権に向けて、調整なしでどこまで走れるか」をテーマとしながら、400mで2年連続の日本学生チャンピオンとなった。

 フロレスは父がペルーと日本、母はイタリアとペルーにルーツを持ち、現在は日本国籍取得を申請中。そのため、静岡国際のタイムは「日本新記録」とはならなかったものの、17年ぶりの「日本記録超え」は陸上界に大きなインパクトを与えた。

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 彼女の大きな強みはレース後半の踏ん張りにある。静岡国際では最終コーナーを抜けるあたりでトップを走っていた第一人者の松本奈菜子(東邦銀行)に追いつくと、残り60~70m付近で逆転。ゴールまで力強い走りを見せ続けた。

「もちろん疲れるのは疲れるんですけど、足は乳酸が溜まりにくい体質みたいで踏ん張りが利くというか……。静岡ではそれが活かせたと思いますし、自分の一番の強みといっていいのかもしれません」

「向かい風が一番走りやすい」独特な感性も…

 興味深いのは、向かい風に対する感覚だ。

 一般的には追い風を好むスプリンターが多い中、彼女は「個人的には向かい風が一番走りやすいですね」と独特の感性を語る。「レースのラスト100m、ゴールに向かう最もきついところで体を動かすことが400mの一番の魅力だと思っていて」と、多くのアスリートが苦手とする状況も、彼女は楽しんでいるのだ。

 今後の目標として、日本国籍取得後に「また日本記録に挑戦したい」と語る彼女。「試合の前の日は必ず生姜焼きを食べるのがルーティン」と茶目っ気たっぷりに話す21歳は、9月開催の東京世界陸上の個人出場も視野に入れている。

 では、昨季までの自己ベストが53秒台だった彼女が、突如として日本記録を超えるタイムを叩き出した裏側には、一体何があったのだろうか? 実は昨冬のトレーニングで「意外な部分」を鍛えたのだという。

<本編に続く>

 この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

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