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中日・根尾昂が悩む姿「400~500球を2日連続で…」「これは止めないとダメだ」ドラゴンズ浅尾拓也コーチ40歳が明かす「投手転向、根尾との3年間」
posted2025/06/07 11:05

中日ドラゴンズ、浅尾拓也・投手コーチ(40歳)。現役引退翌年の2019年から二軍の投手コーチを務め、今季から一軍に昇格
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Hirofumi Kamaya
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中日のリリーフ陣が奮闘している。24歳の守護神・松山晋也は6月6日時点で負けなしの21セーブを挙げ、25歳の清水達也は15ホールド。ジュニオル・マルテ、齋藤綱記、勝野昌慶、藤嶋健人らがブルペンを支える。
特筆すべきは、リリーフ投手が軒並み自己最速を記録していることだ。5月6日のDeNA戦では勝野が160kmを連発し、翌7日の同カードでもマルテが159km、松山も157kmと自己最速をマークした。
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「みんな速いですよね(笑)。こっちもびっくりしています」
クリッとした目を見開き笑顔を見せたのは浅尾拓也コーチだ。
「球速が出るに越したことはないんですけど、どうしてなんでしょう。投げれば投げるほど使う筋肉は大きくなりますし、それが回を重ねると自然な筋トレみたいな形になる。場数を踏むことで最大出力が出るような状態になっていくのかもしれませんね」
「(根尾は)行き詰まっていたんじゃないか…」
若い投手が試合ごとに成長する姿を頼もしそうに見つめる。もう一人、成長を示した右腕がいた。投手転向4年目の根尾昂だ。
二軍で登板10試合、防御率0.00の結果を残し5月1日に一軍昇格。6日のDeNA戦では自己最速の155kmをマークするなど3試合を無失点に抑えた。登板4試合目に2本塁打を許すなど5失点し22日に出場選手登録を抹消されたが、確かな手応えも手にした3週間だった。
「もともと1イニングをバッといく方が彼には合っていると思います。ただ、うちの今のブルペン陣のなかでは、1イニング限定で固定していけるピッチャーとは言えない。複数イニング投げないといけないポジションにいるので、まずは出されたところで結果を出して成長していってほしいと思っています」
積み重ねてきた時間を、間近で見てきた。入団時の内野手から外野手を経て、2022年途中に投手転向。前例がない挑戦に試行錯誤を繰り返す姿を、誰より知っているのが昨シーズンまで二軍を任されていた浅尾コーチだ。
「彼は本当に勉強熱心な子なんです。努力する才能というのは本当に凄いものがあると思います」