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[猛牛ドキュメント]有田修三&梨田昌孝「鬼嫁を演じ、良妻を貫き」

posted2025/06/12 09:00

 
[猛牛ドキュメント]有田修三&梨田昌孝「鬼嫁を演じ、良妻を貫き」<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

左から梨田昌孝、有田修三

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph by

SANKEI SHIMBUN

優勝するような強いチームにはどの時代にも名捕手が存在する。打力も備え、どちらがレギュラーでもおかしくない実力者だった2人。強気なリードが武器の有田と強肩が特徴の梨田の「ありなしコンビ」は、1つしかない司令塔の座を高いレベルで争い、猛牛軍団を支えていた。

 ありなしコンビ――そう呼ばれたのは、1973年から1985年までの13シーズン、近鉄バファローズに在籍していた2人のキャッチャーだ。

 有田修三と梨田昌崇(のちに昌孝)。

“ありた”と“なしだ”で“あり・なし”コンビは、違うチームにいたらそれぞれがレギュラーを任されたに違いない実力派のキャッチャーだった。実際、有田は2度、梨田は4度、ダイヤモンドグラブ賞を獲得している。その間、キャッチャーとして出場したのは有田が841試合、梨田が1036試合。近鉄がリーグ優勝を成し遂げた2度のシーズン、いずれも第7戦まで戦った日本シリーズを見れば、1979年のスタメンは有田が4試合、梨田が3試合、1980年は有田が2試合、梨田が5試合。1つのポジションにレギュラー1人が当たり前の時代、2人は13年もの間、併用されてきた。つまり、彼らはキャッチャー併用の先駆けだった、というわけだ。

 梨田「いやいや、“ありなしコンビ”を一緒にするなという気持ちはあるよ。だって最近の併用されているキャッチャーとはレベルが違うでしょ。打つことだけ見てもアリさん(有田)とオレは2人で30本以上のホームランを打ってる年もあったんだから(1980年、有田16本、梨田15本)。

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