「“正義感”が強い男なんです」DeNAローワン・ウィックの武器は剛球よりもメンタリティー「三浦監督が抗議する姿で自分も闘争心が燃えたんだ」 

「野球はとてもタフなスポーツですし、プレーする人間にとっては常に難しい環境であると思うんです。アメリカではマイナー生活も長かったですし、昨年はファームでのトレーニングや怪我もありました。

　けれどもそれによって自分のメンタルは以前よりも強くなっていると自負しています。今はベイスターズからのサポートも万全ですし、また三浦監督のもとでプレーできているのはすごくうれしく思っているんです。とにかくチームが優勝するために、任された場所で仕事をしていきたい」

欠かさないウェイトトレーニングもあってか筋骨隆々のウィック　©NumberWeb

　昨年は9月後半に右わき腹を痛め、ポストシーズンを戦えなかったが、今季はその二の舞いにならないよう、アーリーワークでのウェイトトレーニング、そして体の細部を意識した日々のエクササイズには余念がない。

ウィックは「正義感が強い」

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　物静かだが、真実を見定めようとする真っすぐな目。そして一言一言を大切にしゃべる様子。DeNAの外国人選手は、総じて研究熱心で真面目なナイスガイたちではあるが、ウィックは誰とも違う独特な雰囲気を醸し出している。その正体が何であるのかわからなかったが、間近で接しウィックのボールを受けている捕手の山本祐大が面白いことを言った。

山本祐大はウィックを「正義感が強い」と評する　©JIJI PRESS

「ウィックは責任感というか“正義感”が強いんですよ。チームがしんどいときに、先頭に立って頑張ってくれる姿を見せてくれるし、僕はもちろんチームメイトも感じているところはあると思いますよ」

　正義感——。野球というスポーツにあってあまり聞き慣れない言葉だが、山本のその一言を聞いて、どこか腹落ちするところがあった。

　どんな場面もいとわずマウンドに颯爽と登場する身長190cm、体重106kgの筋骨隆々とした“正義の剛腕”。これからもきっとチームをピンチから救ってくれることだろう。

〈全2回の2回目／はじめから読む〉