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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「“正義感”が強い男なんです」DeNAローワン・ウィックの武器は剛球よりもメンタリティー「三浦監督が抗議する姿で自分も闘争心が燃えたんだ」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/06/02 11:07
ピンチに強いメンタルが武器と自認するウィック。仲間のために熱くなる「正義感」の持ち主だという
「気持ちや想いがきちんと伝われば、それに応えてくれる人間性があります。そういう意味ではとても真面目ですよね。チームにいかに貢献するかを常に考えている。本当に真っすぐに関しては、素晴らしい出来だと思います。
今年に入りスライダーやカットなどにも力を入れていますが、そうするとやはり真っすぐが雑になるので、まずはしっかりストレートを投げなさい、そのためのメカニックをもう一度見直しなさい、と伝えています。今では信頼関係があり、素直に受けいれてくれているので、しっかりと修正ができていますね」
研究熱心でバウアーともよく議論を
まずはストレートありき。ブルペンを担当する小杉陽太投手コーチも「頑固で苦労しましたけど、考える力も人間味もあるピッチャーですね」と言って、ウィックのストロングポイントを教えてくれた。
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「彼の真っすぐはホップ成分が高く、まずはそこを磨くことと、自信のあるカーブの使いどころを意識することが課題でした。じつは昨年のシーズン中に、ストレートとカーブの握りを変えたんです。それによって真っすぐのホップ成分はさらに高まり、カーブも縦のマイナスの変化量が大きくなったのが好投の要因だったと思います。
最近ではカットやスライダーもかなりよくなってきて、ピッチングの幅も出てきて本当に頼もしいかぎりです。とにかくよくトレーニングをするし、研究熱心。(トレバー・)バウアーともよく議論を交わしています。ナイスガイですし、彼の姿勢や存在はブルペンにすごくいい影響を与えていると思いますね」
監督やコーチの信頼でストレートへの自信が増した
ウィックは日本の地での人間関係や自身のブラッシュアップについて、感謝の念を込め次のように語った。
「入来コーチは大好きですし、本当に感謝しています。入来コーチ自身、アメリカでプレー経験があって、そういった背景から僕が感じていたことを汲んでもらい接してもらうことでいい関係が築けたと思います。
もちろん三浦(大輔)監督や大原(慎司)チーフ投手コーチ、小杉コーチからも有意義な指導をしてもらっています。とくにストレートに関しては好評をいただき、そこは自信を持って深いカウントで投げることができていますね」

