「私は一度、消えているので…」“史上最高レベル”陸上女子ハードル界に現れた超新星は29歳？ 元“消えた天才ハードラー”中島ひとみの波乱万丈 

　陸上を始めたのは、兵庫・荒牧中1年のとき。入学当初は茶道部に入るつもりだったが、陸上部の先生に誘われた。

　幼少期は、遊びでやる鬼ごっこでも絶対に毎回勝ちたいほど、「負けず嫌い」な性格。すぐにのめり込んだ。

　初めは100メートルとリレーの選手。県大会で優勝するほど強かった先輩にあこがれ、中学2年でハードルも始めた。2年生ながら全国中学校体育大会（全中）で準決勝に進出した。

中3で全国制覇…「陸上がめちゃくちゃ好き」

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　中学3年のとき、指導してもらっていた先生が転勤になった。ハードルを教えてくれる指導者がいなくなった。もっと上手くなりたくて、部活動が終わると、自転車に乗って以前の先生のもとへ通った。午後9時まで1時間半、公園や道路で指導を受けた。

　人より多い練習も、「陸上がめちゃくちゃ好き」で苦にならなかった。そして、全中では優勝。一躍、世代のトップハードラーとなった。

中3時の全中で全国制覇。名実ともに世代の頂点に立った　©Asahi Shimbun

「すごく燃え上がっていました。第三者の視点で見ると、あの時が一番キラキラしていた。努力は実るって、素直に思っていました」

　夙川学院高に入学後も活躍は止まらない。高校2年時の日本ユースや国体で優勝した。何もかもが順調だった。

　そんな中島の歯車が狂いだしたのは、高校3年のときだった。

＜次回へつづく＞