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代表復帰に疑問なし! 佐野海舟に記者「あれはすごすぎるだろ」ファン「サノはマシーネ(マシン)だ!」ドイツでの“ナマの評判”は驚くほど高評価
posted2025/05/23 17:00

今季のブンデスリーガ走行距離1位というダイナモぶりを見せた佐野海舟。ついに日本代表に復帰した彼の評判をマインツ現地で集めた
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中野吉之伴Kichinosuke Nakano
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Getty Images
「おそらくうちのチームで最もポテンシャルが高いのはカイシュウ」
熱っぽく地元記者にこう佐野海舟について話したことがあるのは、マインツのキャプテンでドイツ代表FWヨナタン・ブルカルトだ。
キャプテンや監督からの絶賛
「ボランチの選手として信じられないほどたくさん走れるだけではなく、ハイスピードを試合中ずっと保てるのはほんと驚きだ。最初の一歩が速いし、競り合いではクレバー。シーズン当初はほとんど言葉でのやり取りができなかったのに、それができている。とてもかしこい選手の証だよ」
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今季8月にチームに合流した佐野のプレークオリティはチームメイトだけではなく、徐々にドイツ全土に知れ渡ることになった。『ビルト』紙でも「今季のベスト補強トップ10」で佐野を5位にリストアップ。
「日本の鹿島アントラーズから250万ユーロの違約金で獲得。150万ユーロだった市場価値は実に1033%もアップし、いまや1700万ユーロに。全試合ほぼフル出場で、ピッチに立っていなかった時間はわずか16分」
マインツ監督のボー・ヘンリクセンが記者会見で佐野について言及する頻度は多い。そして毎回のようにその素晴らしさを強調し、そしてだからこそもっとできるはずだとはっぱをかけるのも恒例だ。
「トレーニングでカイシュウ相手にやりたくないと口にする選手が多い。スピードがあるし、テクニックがある。それに他の選手が一息つかなきゃいけない状況からでもダッシュで前線に顔を出せるんだ」
ドイツ記者が「あれはすごすぎるだろ」
1-1の引き分けに終わった32節のフランクフルトとのダービー戦では、専門誌『キッカー』からベストイレブンに選ばれるなど大活躍をみせた佐野。隣に座っていたドイツ人記者が思わず「あれはすごすぎるだろ」とつぶやいたのは、80分のプレーだった。
フランクフルトが攻撃に入ろうとしたところを佐野が鋭い出足でカットして前に出る。右サイドで佐野からパスを受けたアントニー・カチのクロスは相手に渡ったが、その瞬間にはすでにダッシュでポジションに戻り、スペースを埋めて相手の攻撃に対応していた。終盤になっても変わることなくみせるそのプレーの連続性のすごさに、数多の試合を見てきた現地記者がうなったのだ。