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韓国でも熱視線の大谷翔平へ“つなぐ9番”キム・ヘソン「打率4割台でマイナー危機」に祖国やきもき…“父は元中日”イ・ジョンフらも苦境 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/05/21 06:00

韓国でも熱視線の大谷翔平へ“つなぐ9番”キム・ヘソン「打率4割台でマイナー危機」に祖国やきもき…“父は元中日”イ・ジョンフらも苦境<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

メジャー昇格後、高打率をキープするキム・ヘソン。大谷翔平へとつなぐ9番打者として生き残れるか

 皮肉なことにエドマンは母親が韓国人で、2023年WBCは韓国代表としてプレーした。韓国のファンとしてみれば、日本人がラーズ・ヌートバーを応援するのと同じ感覚で注目している。

 MLBではもともと守備の人だったが、ドジャースに移籍してからは「打撃開眼」して4番を打つこともある。キム・ヘソンがエドマンとともにプレーすることを望んでいるが、それは難しいのでは――という見立てだった。

 18日にエドマンはILから復帰したが、その枠を空けるためにクリス・テイラーがリリースされた。翌19日にはテオスカー・ヘルナンデスの復帰によって、ジェームズ・アウトマンがマイナーに落ち、キム・ヘソンが生き残った形だ。ただし18日はスタメンからは外れ、19日は3ポジションの中で最も不慣れとみられる外野を守り、1回に打球を見失って先制点を献上してしまった。

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 国が違えば、同じMLBでも注目ポイントは大きく異なる。今、MLBでプレーする韓国人選手はドジャースのキム・ヘソン、パイレーツのペ・ジファン(裴智桓)、ジャイアンツのイ・ジョンフ(李政厚/父は元中日・李鍾範)の3人、ともにポジション争いで苦しんでいるが、韓国のファンは彼らのプレーに一喜一憂しているのだ。

HR量産だけでなく…大谷の打点ペースが上がってきた

 ここからはキム・ヘソンの存在によって打点ペースが伸び始めた大谷をはじめ、現地5月12日から19日までの日本人メジャーリーガーの成績を見ていこう。

〈大谷翔平/ドジャース〉
2025年 46試186打58安17本31点10盗30球51振 率.312 OPS1.078

今週 7試合30打10安5本10点0盗3球5振 率.333
5月13日アスレチックス戦 3打0安0本0点0盗 1球0振
5月14日アスレチックス戦 4打2安1本1点0盗 1球0振
5月15日アスレチックス戦 5打2安2本6点0盗 0球2振
5月16日エンゼルス戦 3打2安1本1点0盗 1球0振
5月17日エンゼルス戦 6打0安0本0点0盗 0球2振
5月18日エンゼルス戦 5打3安0本1点0盗 0球1振
5月19日Dバックス戦 4打1安1本1点0盗 0球0振

 春先から打球速度と角度が上がらない、打点が少ないと書いてきたが、ここへきてそうした懸念を吹き飛ばすような活躍。すべて取り越し苦労だったようで、大谷に関して心配なのは怪我だけだ。

〈鈴木誠也/カブス〉
2025年 44試177打43安11本39点1盗16球56振 率.243 OPS.807

今週 6試合25打6安2本7点0盗3球7振 率.240
5月12日マーリンズ戦 3打1安1本2点0盗 1球1振
5月13日マーリンズ戦 4打0安0本0点0盗 0球0振
5月14日マーリンズ戦 4打1安1本1点0盗 0球2振
5月16日ホワイトソックス戦 4打2安0本2点0盗 0球0振
5月17日ホワイトソックス戦 5打1安0本0点0盗 0球2振
5月18日ホワイトソックス戦 1打0安0本2点0盗 1球1振
5月19日マーリンズ戦 4打1安0本0点0盗 1球1振

 打率は.250を割ったものの、本塁打はコンスタントに出ている。18日は前日の外野守備で痛い失策をしたこともあったが、依然、中軸打者として存在感を示している。

〈ラーズ・ヌートバー/カージナルス〉
2025年 47試186打48安7本25点4盗31球35振 率.258 OPS.789

今週 7試30打10安1本3点0盗 1球7振 率.333
5月12日フィリーズ4打2安0本0点0盗 0球0振
5月14日フィリーズ3打1安0本0点0盗 1球2振
5月14日フィリーズ5打2安1本2点0盗 0球1振
5月16日ロイヤルズ5打2安0本0点0盗 0球1振
5月17日ロイヤルズ4打0安0本0点0盗 0球0振
5月18日ロイヤルズ5打1安0本0点0盗 0球2振
5月19日タイガース戦 4打2安0本1点0盗 0球1振

 開幕から1番左翼、または右翼でスタメン出場が続いている。14日のフィリーズとのダブルヘッダーの2戦目ではアーロン・ノラからソロホームラン。長打力も発揮している。

由伸と防御率トップ争い、千賀のスゴいスタッツとは

 続いては投手を見ていこう。それぞれが正念場を迎えている。

【次ページ】 ドジャース戦で好投したのに…菊池だけの“不運な記録”

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