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「バチッときた!」5月の打率は6割超え…DeNA松尾汐恩20歳が打撃開眼の意外な理由は「HR打ったろ!」をやめ「練習をきちんとするようになった」!? 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byNaoya Sanuki

posted2025/05/19 11:00

「バチッときた!」5月の打率は6割超え…DeNA松尾汐恩20歳が打撃開眼の意外な理由は「HR打ったろ!」をやめ「練習をきちんとするようになった」!?<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

5月に入って打棒爆発中の松尾汐恩。高く評価されていた潜在能力が開花しつつあるわけを本人に聞いた

猛打爆発中

 その後、5月に入ってからの松尾は目が覚めるような打撃を見せている。スタメンマスクを被った5月3日の巨人戦(横浜スタジアム)ではマルチ安打に加え決勝点となる左犠飛、9日の広島戦(横浜スタジアム)ではプロ2号本塁打、13日の阪神戦(ハードオフ新潟)では代打で値千金の中犠飛を放つと、そのままマスクを被りマルチ安打を放っている。

 そして13日のヤクルト戦(神宮)では5番に入り、3号本塁打を含むプロ初となる4安打の大活躍。5月の月間成績は、7試合の出場ではあるものの打率.611、打点7、OPS1.601(5月19日現在)と快音が止まらない状態だ。

「練習をきちんとするようになった」

 ルーキー時代から松尾の様子を見てきた大村巌野手コーチは、その打撃面における“変化”の様子を次のように語る。

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「松尾が入団したとき私は育成打撃コーチだったので一歩引いた立場で見ていたのですが、今年大きく変わったところは一点、それは“バッティング練習をきちんとするようになった”ことです。意外かもしれないけど、これが事実です」

 練習は誰でもきちんとするものだと思うのだが、そこには奥行きと思考が重要だと大村コーチはつづける。

「入団当時は、練習ではバッティングセンターみたいに打って、長打が出れば喜んでいた。果たしてこれで大丈夫かなと思ったし、心配しましたね。練習のボールって、プロであれば誰でも飛ばせるんですよ。けれども重要なのはいかに試合で打つことができるのか。あくまでも、そのために練習がある。

 試合で使うテクニックを磨き、例えばここが崩れているから修正しようとか、それを日々の練習で気づき体に染みこませていく。ただ、松尾の場合ファームで打てていたし、若い選手は結果が出ると、それでいいんだって思ってしまうところに危機感がありました」

【次ページ】 将来を見据えて

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