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「イシカワは継続性を欠いた」現地紙は石川祐希にも厳しい評価、ペルージャまさかの3連敗でリーグ制覇の夢破れる…“王者”に起きた異変とは?
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弓削高志Takashi Yuge
photograph byPA Images/AFLO
posted2025/04/26 06:02

プレーオフ第5戦ではスタメン出場したペルージャ石川祐希(29歳)。13得点をあげたが、ファイナル進出は果たせなかった
第5戦の4セットすべてに先発した石川は13ポイントを挙げた。頬を膨らませながらフルスイングで打ち込むボールは、時に相手ブロックを弾き飛ばしたが、時にコート枠から外れることもあった。
ミスが重なると、指揮官は3人のアウトサイドヒッターを次々に入れ替えた。プレッシャーと不安定な配球でペルージャの攻守はほぼ瓦解した。監督の采配や戦力マネージメントのみならず、クラブのフロントのチーム編成にも疑問が投げかけられるべきだろう。
「イシカワは継続性に欠けた」
イタリアの最大手スポーツ紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、試合後の速報記事で率直に敗者を評した。
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「ペルージャは疲弊しきっていた。チヴィタノヴァからサービスエースを17本も奪われ、反撃の手立てすらなく、王者らしからぬミスを続けた。プロトニツキの代わりに先発したイシカワは継続性に欠けた」
昨季までプレーオフでの鬼気迫るプレーがユーキ・イシカワの真骨頂だった。しかし、この夜の石川は気迫あふれるスパイクでブロックアウトを奪う一方、レセプションは大きく乱れ、何本もサービスエースを許した。加えてペルージャのサーブミスは21本を数えた。
ほぼ3日おきのノンストップ連戦が続くセリエAプレーオフ・トーナメントは過酷そのものだ。一度心身のピーキングや試合の流れを逃してしまうと、修正することは甚だ困難になる。
石川はロレンツェッティ監督の薫陶を受けたイタリア1年目のモデナ時代に、プレーオフ決勝に行ったことがある。10年目の今シーズン、王者チームの一人としてファイナルの切符を是が非でも勝ち取りたかったはずだ。
「もちろん、(1年目のときとは)ちがう思いがある」と言っていた。勝ったときに話したいとつづけた、その思いを聞きたかった。