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DeNA入江大生“涙のハマスタ帰還”「野球界初の手術」から597日ぶり一軍登板…今永昇太・山﨑康晃らに支えられ「投げられるのは幸せだな」
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石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/21 11:03

肩の手術から復活した入江大生。最速157キロの直球は健在でプロ初セーブも挙げた
「肩にメスを入れるのは、治ったとしてもなにかしら影響が出ると思ったんで、できればやりたくなかったんです。まあでも、結果的にやってよかったと今は思っていますね」
今永昇太と同様の術式に加え、野球界初の手術も
症例における術式は、先輩の今永昇太が2020年10月に受けたものとほぼ同じだった。ゆえに入江は、アメリカにいる今永に意見を求めた。その後の今永の回復ぶりを見ると悲観的にならなくてもいいと思えるが、症状は個人によって違う。
「肩の場合は、患部を開いてみないとわからないことが多いんです。僕は結局、開いて3か所手術をしました。ベネット(骨棘)を取って、関節唇をクリーニングして、そしてもうひとつ、肩の後ろの関節包を縫い合わせたんです」
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肩関節包とは、肩甲上腕関節の上方、前方、下方、後方をぐるっと一枚の袋のように覆っている組織のことをいう。
「僕の肩は可動域が出過ぎてしまい、それが負担に繋がっていました。可動域を抑えるために関節包を縫い合わせたんですけど、たぶんこの手術をしたのは野球界で僕が最初だと思います」
リハビリを支えてくれた山﨑康晃や森唯斗たち
結果として前例がない手術となったわけだが、当然リハビリは慎重にならざるを得なかった。
「最初は肩が固くて可動域が出ず投げられなかったんですよ。ちょっとずつ可動域を増やしていって、痛みが出たらまた前に戻って、そういうのをずっと繰り返してきました」
つらいリハビリ期間中、自分のことを支えてくれたのは、再びマウンドに戻るという強い意志と、頼りがいのある先輩たちだった。