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「青木宣親、獲れないですか?」幻に終わったドラフト指名…元監督・山下大輔に聞く横浜ベイスターズ“TBS時代の迷走”「希望を出してもなかなかね…」
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村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/04/22 11:07

横浜ベイスターズ監督時代は2年連続の最下位に終わった山下大輔氏。当時は球団フロントとの足並みも揃っていなかったという
「ベイスターズは我が家だから」わだかまりは皆無
――監督が2年で終わる悪習は前任の森祇晶さんから、山下さん、後任の牛島和彦さん、大矢明彦さん(3年目は休養)、尾花高夫さんとTBS時代の最後まで続いていきます。
「僕が現役だった大洋時代から14年で8人の監督がやっているんです。勝てなければ監督を変える。また勝てない、変えるの繰り返しで、名将と呼ばれた古葉(竹識)さんや森さんも連れてくるけど勝てなかった。やっぱりある程度の長い時間を掛けないとチームは強くならないですよね。じっくりと腰を据えてね。取ってくる選手も凄く大事なんだけど、どういう風に育てるかをちゃんと考えて、そういう監督を選ぶ必要がありますよね」
――現在のDeNAを見て、山下さんはどのように思われますか?
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「フロントが“どうしたらチームが強くなるか”ということを考えているし、コーチの配置転換なんかは他球団にはないようなこともするけど、まずは選手ありきで、その選手をどう活かしていこうとするか。その辺は一生懸命やろうとしていますよね。ただ、正直ね、データが全盛の今の時代に僕は現場にいなくてよかったのかなとも思います。データも大事ですけど、感性はさらに大事。試合の局面では一瞬で風向きが良くも悪くも変わるのが野球ですからね」
――2012年にベイスターズ復帰をDeNAから依頼された時には、球団に対してわだかまりはなかったのですか?
「うん。全然なかったね。他のチームだったら二軍監督は少し気持ちが違ったかもしれないけどね。やっぱり、野球が好きだし、選手たちがいろんなことを吸収して成長していく姿を見ることは好きなんだろうね。そして、やっぱりベイスターズは自分にとって我が家みたいなチーム。このチームで強くなってみんなでよろこびあう。あの時には叶わなかったけど、今では当時の選手たちがコーチになってチームに帰ってきているでしょ。やっぱりチーム愛ですよね。三浦大輔もね、監督5年目ですか。ベイスターズに対するそういうものはダイスケも持っているし、ここに入ってきた選手たちをこの先どうしていくか、発揮してほしいですよ。特にピッチャーにおいてね」