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08年巨人「開幕5連敗→13.0差を大逆転V」、22年ホークス「開幕8連勝→M1からV逸」序盤戦・オープン戦成績が優勝に直結しない説はホントか
posted2025/04/15 11:02

2008年の巨人は開幕5連敗を喫したものの、最終的にはセ・リーグ優勝を果たした
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
ペナントレースが始まって半月が経過した。そろそろ「好調なチーム」「不調なチーム」の色分けがはっきりしてきた。開幕前、そして序盤戦での好不調はペナントレースを占う上で、どのくらい信憑性があるのか――調べてみた。
ソフトバンクはオープン戦でも強かった
まず「オープン戦の成績は、ペナントレースとリンクしているのか?」
2010年~24年の過去15年、両リーグの優勝チームのオープン戦勝率は以下の通り。
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〈セ・リーグ〉
96勝119敗27分 率.447 平均順位7.7位
1位1回、12位2回
〈パ・リーグ〉
134勝78敗23分 率.632 平均順位3.4位
1位6回、12位0回
なんと、セ・リーグ優勝チームはオープン戦合計で負け越しているのに対して、パの優勝チームは6割超の高勝率である。
【ここ15年の両リーグチームのオープン戦勝敗】
〈セ・リーグ〉
573勝692敗165分 率.453 平均順位7.3位
〈パ・リーグ〉
652勝533敗153分 率.550 平均順位5.4位
パ・リーグが大きく勝ち越している。とりわけソフトバンクはここ15年、136勝78敗27分 率.636、平均順位3.1位と強烈に強い。一方で、セ・リーグはその年の優勝チームであっても負け越していることが多い。日本シリーズでもオールスターでもパ・リーグが勝ち越しているが、オープン戦はそれがさらに顕著なのだ。
優勝チームの開幕カード成績を調べてみると
少しわき道にそれたが、セ・パの格差もあったために、ペナントレースを占う材料としてオープン戦の成績を当てはめるのは、あまり役に立たないということだ。
では、ペナントレース序盤戦の成績はどうだろうか?
プロ野球がセントラル、パシフィックの2リーグに分立した1950年から2024年までの75年間の両リーグの開幕カード(3連戦)と10戦目までの勝敗を見ると……。