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角田裕毅の日本GP、レッドブル初レースをどう評価する?「自信を深めることができた」12位完走の鈴鹿に始まる大きな夢の続き
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尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool
posted2025/04/08 11:00
予選14番手からスタートした決勝は12位完走。望んだ結果ではなかったが、角田の表情に落胆の色はなかった
しかし、今年の日本GPでは、マシンが路面を擦って発生する火花が春風に乗ってランオフエリアの芝生を燃やすという火災が4度も発生。練習走行はその度に短縮され、ドライバーたちは準備不足のまま予選に臨まなければならない事態となった。移籍したばかりの角田は、その影響を最も大きく受けた。RB21を理解する前に開始された予選で、角田はQ1を突破したもののQ2で敗退し、予選15位に終わった。
それでも、レッドブルの角田への評価が下がることはなかった。
「ユウキはQ1までは順調だった。最後のアタックで第1セクターでミスしてコンマ数秒を失っていなければ、余裕でQ3へ進出していただろう」
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レッドブルのガレージで仕事をしているホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)も角田の成長を認めている。折原はレッドブルの前に、アルファタウリとRBで約2年間、角田と一緒にレースをしていた。数カ月ぶりに再会した角田は以前と違っていた。
「23年から24年にかけても成長しましたが、今年はさらに大きく成長しているように感じます。例えばセッティングに関しては、自分から意見を言って、エンジニアと会話しながら作業を進めていました。チームのほうも裕毅のコメントをよく聞いて、それに従ってセットアップを進めていました。結構、裕毅がイニシアチブをとっていたのが印象的でした」
マックス・フェルスタッペンが絶対的なエースに君臨するレッドブルで、彼のチームメート側にそのような姿勢はあまり見られなかったという。チームの受け止め方はポジティブだ。
トップチームで叶える夢
日曜日のレースも角田にとって厳しい戦いとなった。それは雨が降ることを想定したセットアップで予選を戦っていたからだ。現在のF1では予選後のセットアップ変更が原則的にできない。そのためドライコンディションとなった日曜日のレースで角田のRB21はストレートスピードが伸びず、順位をなかなか上げられなかった。それでも、角田はレッドブルでのレースを1周たりとも無駄にすることなく、毎周のように新しい発見を見つけては次はどのように改善するかを考えながら走行していた。
「クルマを理解する点では日本GPが始まる前から大きく前進し、自信を深めることができました。今日学んだことは今後に大きく役立つはず。焦らず一歩一歩着実にステップアップしていきたい」
レース後にそうコメントした角田と山本の夢の話には続きがある。
「トップチームへ行って、日本人として、まだだれも成し遂げていないことをやろう」
レッドブルでの緒戦は12位完走に終わった。だが、これで終わりではない。角田のレッドブルでのレース人生は始まったばかり。角田が山本と語った夢の続きを見届けたい。

