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「筋肉がカチッと…こんな選手いたんだ」里村明衣子はなぜ荒井優希を“ベタ褒め”したのか? SKE48卒業後はプロレスに専念…26歳“脱アイドル”の覚悟 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2025/03/20 17:02

「筋肉がカチッと…こんな選手いたんだ」里村明衣子はなぜ荒井優希を“ベタ褒め”したのか? SKE48卒業後はプロレスに専念…26歳“脱アイドル”の覚悟<Number Web> photograph by Essei Hara

ジャンピングキックを里村明衣子に叩き込む荒井優希。3月16日、大田区総合体育館

アイドルを卒業しプロレスに専念…荒井優希の覚悟

 里村はいつも通り強かったが、今月いっぱいでSKE48を卒業し、プロレス一本に専念することを宣言している荒井が予想以上の頑張りを見せた。

 里村の重厚さと荒井の自然な軽さがコントラストを描く。

 もうだめかと思われた荒井だったが、そこから得意の多彩な蹴りやフルネルソンバスター、サソリ固めなどを駆使して里村という横綱に向かっていった。

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 かかと落としという似たようなフィニッシュを互いに持っている。里村は荒井のそれをブロックした。里村のスコーピオライジングが火を噴くことは最後までなかった。

「試合後、向こうから言ってきたんですよ。『私が女子プロレス界の未来を背負います。プロレス一本で背負っていきます』って。それ、本当にすごいなって。未来が感じられて、気持ちいいですね。東京女子さんに感謝します。山下(実優)選手とも最初に対戦して、今ではもう世界を背負って立つ選手になったし。そこから何戦もやらせてもらって、最後に荒井選手と出逢って。本当にありがとうございました」

 すっきりした笑顔で話す里村は、心の底から満足そうだった。4月29日の引退試合を前に、日々、様々な団体で精力的に試合をこなしている。

 一方、試合前に「勝ちたい」と言っていた荒井だが、キック合戦から投げられてフォール負けを喫した。

「ああ、負けました。なんだろう、すごい悔しいとか、そういう言葉しか出てこない。やっぱり、最後のチャンスで、これが(里村との)初めての試合だったけど越えたかったし、ギャフンと言わせたかったんですけど、まだまだでした。でもすごい、これが初めてじゃないくらい。リングで会うといろんなことが分かって。違った強さとか戦い方を感じた。里村さんと対戦できたことがとても大きな財産です。これからの自分にとって大きいものだと思うので、プロレスラーとして頑張りたいと思います」

【次ページ】 「里村さんに勝てる、と思わせるくらい強くなりたい」

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