NumberPREMIER ExBACK NUMBER

「河村勇輝はアメリカでも通用する」“同世代の盟友”富永啓生が断言するワケ「あんなスピード見たことない…河村が一番です」

posted2025/03/14 17:00

 
「河村勇輝はアメリカでも通用する」“同世代の盟友”富永啓生が断言するワケ「あんなスピード見たことない…河村が一番です」<Number Web> photograph by Getty Images

Gリーグのマッドアンツでプレーする富永啓生が同世代の河村勇輝、そして自身の課題について語った

text by

大柴壮平

大柴壮平Sohei Oshiba

PROFILE

photograph by

Getty Images

 同世代の河村勇輝とは別のルートでキャリアを積み、今、共にNBAの高く険しい壁に挑み続ける。渡米から6年。日本が生んだ稀代のシューター・富永啓生は、自らの課題を冷静かつ的確に把握していた。
 発売中のNumber1115号に掲載の《[もうひとりの挑戦者]富永啓生「最大の試練を突破するために」》より内容を一部抜粋してお届けします。

「河村ならここでもやれる」と断言する理由

「河村勇輝はアメリカでも通用する」

 そう断言したのは、私が知る限り富永啓生が最初である。

 レンジャーカレッジ時代の取材時のことで、当時富永はその理由を、

ADVERTISEMENT

「アメリカでもあんなスピード見たことないですよ。アメリカにはクロスオーバーで横に振るスピードが速い選手はいますが、縦のスピードなら河村が一番です」

 と語っていた。

 その後私はネブラスカ大学時代の富永を追い、NCAA挑戦の3シーズンを自伝形式で綴った『楽しまないと もったいない』を共著することになるのだが、戦う舞台をNCAAディビジョンIという学生バスケ界最高峰の舞台に移してからも、ことあるごとに「河村ならここでもやれる」という話を富永の口から聞いた。

富永は英語を教えるなど河村を親身にサポート

 だから、今シーズンの河村の活躍を見ても富永にとって驚きはない。概ね想像していた通りというわけだ。

 元々河村の実力を認めていた富永だが、その後代表活動を通して友情を育んだのはよく知られるところである。河村のアメリカ挑戦に際しても、富永は英語を教えるなど親身にサポートしたという。

 逆に現在キャリアで先行している河村からは、その経験をシェアしてもらっているそうだ。

「Gリーグも本当にレベルが高い。NBAでやったからって、Gリーグでめちゃめちゃ簡単にできるというわけではないと言ってました」

 河村の言葉通り、初期と比べるとGリーグのレベルはかなり高くなった。2ウェイ選手としてNBAとGリーグを行き来する河村を含め、NBA当落線上の選手がGリーグには大勢いる。つい先日も富永が所属するマッドアンツのジャリル・オカフォーがNBAのペイサーズにコールアップされたばかりだ。

 NBAに目を向けても、河村のグリズリーズには、富永が大学時代に何度も対戦したザック・イディがいる。イディ同様大学時代の対戦相手だったトレイス・ジャクソン・デイビスは、今では富永が敬愛して止まないステフィン・カリーのチームメイトである。

「自分が戦ってきた選手たちが(NBAで)やっているのを観るのは嬉しいですね。でも違和感もあります。同じコートに立っていた人が、なんでそこにいるんだろって」

 富永は河村、イディ、ジャクソン・デイビスと同じコートに立ち、試合によっては彼らを超える活躍をしてきた。富永にとってNBAは近いようで遠く、遠いようで近い世界なのだ。

 ではなぜ今、富永はGリーグでもがいているのか。富永とNBAを隔てているものがあるとすれば、それは何なのだろうか。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「ファンがいない試合は変な感覚が…」天性のスコアラー・富永啓生がGリーグで直面する“最大の試練”とは何か?「今はボールを持ちたい選手が多すぎる」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

Number1109号「極悪女王」秘話。〜クラシュ・ギャルズとダンプ松本の時代〜 書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプしますNumber1115号「河村勇輝 革命者の行く道。」 書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

関連記事

#マッドアンツ
#インディアナ・ペイサーズ
#河村勇輝
#メンフィス・グリズリーズ
#富永啓生

バスケットボールの前後の記事

ページトップ