Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[佐々木クリス解説]本場が唸った173cmのスキル

posted2025/03/09 09:00

 
[佐々木クリス解説]本場が唸った173cmのスキル<Number Web> photograph by Getty Images

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

PROFILE

photograph by

Getty Images

3年目の本契約を見据えていた小柄な日本人は、なぜ1年目から通用したのか。「チーム環境」「得点力」「パス」「ディフェンス」の項目別に、解説者の佐々木クリスが河村勇輝の技術的特徴と今後の課題を分析した。

追い風を呼んだ「徳」とグリズリーズ独特のシステム。

 河村勇輝選手は渡米前、1年目にGリーグ、2年目に2ウェイ契約、そして3年目に本契約を結び、チームの主力として活躍するといったように、数年先を見据えて挑戦する覚悟を明かしていました。

 しかし、いざ蓋を開けてみるとトレーニングキャンプとプレシーズンゲームでのアピールが実り、昨年10月には2ウェイ契約を締結。僕は当初、今シーズン中にNBAの舞台に立つ可能性は10~15%程度と予想していたのですが、ホップ、ステップの初期段階をすっ飛ばし、10月25日にはヒューストン・ロケッツ戦でのNBAデビューへとジャンプしました。

 河村選手のNBAデビューがこれほど早く実現したのは、いくつかの要因が重なったからです。昨秋にベテランポイントガードのデリック・ローズが引退したため、グリズリーズは新たなPGと契約する必要がありました。そんな中で2ウェイ契約ながらもレギュラーでプレーしていたのがスコッティ・ピッペンJr.です。彼が本契約に昇格したことにともなって、2ウェイ契約の枠に1つ空きが出た。それを河村選手が掴みとる形となりました。グリズリーズでプレシーズンから怪我による主力の欠場が続いていたことも、河村選手にとっては追い風となりましたね。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 4097文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

#佐々木クリス
#河村勇輝
#メンフィス・グリズリーズ
#デリック・ローズ
#スコッティ・ピッペンJr.
#ジャ・モラント
#メンフィス・ハッスル
#JJ・バレア
#クリス・ポール
#シェイ・ギルジャス・アレクサンダー

バスケットボールの前後の記事

ページトップ