中谷潤人の“エグい連打”で顔がゆがみ「23歳クエジャルの今後が心配」決定的瞬間を撮影…世界的カメラマンが語る「井上尚弥とは違う」中谷の特殊能力とは 

「もう二段階くらい伸びしろがあるのでは…」

　中谷選手と初めて会ったのは彼が中学を卒業したばかりのころで、お父さんも交えて食事をしたのですが、当時と比べると本当に精悍になって、貫禄が出てきました。公式ビジュアルもずっと撮らせてもらっていますが、特にここ数試合は「すごく変わったな」という印象を受けます。

©Naoki Fukuda

　それでも、もう二段階くらい伸びしろがあるのではと感じさせます。サイズ的にもまだ階級を上げる余裕がありますし、背が高くて懐の深いボクサーでありながら、接近戦も非常に強い。ウェイトを上げてリーチを活かせなくなっても、至近距離で打ち負けるイメージがまったくありません。

　もちろんIBF王者の西田凌佑選手との統一戦もとても楽しみです。西田選手も技術が高く、距離感に優れていて、攻撃的。メンタルも含めて、芯がものすごく強い選手ですから。間違いなくいいカードになるでしょう。

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　ここ1、2年で、「ジュント・ナカタニの写真を頼みたい」という海外からの依頼も増えてきています。昨年のWBC総会（ドイツ・ハンブルク）に中谷選手と一緒に出席したのですが、現地での注目度も非常に高く、テレンス・クロフォードやミゲール・コット、セバスチャン・フンドラが寄ってきて2ショットを撮らせてもらいました。

2024年12月、WBC総会でミゲール・コットと握手を交わす中谷潤人　©Naoki Fukuda

　中谷選手にとっては決して簡単ではない試合が続きますが、それらをクリアしたら、いよいよ井上尚弥選手とのメガマッチが実現するかもしれません。ボクシングを半世紀以上見てきた者として、日本史上トップ2といえるような実力のボクサーが同時に近い階級にいるなんて、あらためて信じられない気持ちです。しかもタイプが明らかに違う。完璧なテクニック、スピード、パワーを持っている井上選手に対して、中谷選手は長身で特殊なスタイル。当然、実現すれば世界中の注目を集めるでしょう。カメラマンとして、いちファンとして、そのときを楽しみに待ちたいと思います。

（構成／曹宇鉉）