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壮絶ダブルKOにファン熱狂「あの日のヤングライオン」辻陽太とゲイブ・キッドが“新日本プロレスの中心”になるまで「昭和の名勝負数え唄のように…」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2025/02/21 17:22

壮絶ダブルKOにファン熱狂「あの日のヤングライオン」辻陽太とゲイブ・キッドが“新日本プロレスの中心”になるまで「昭和の名勝負数え唄のように…」<Number Web> photograph by Essei Hara

ゲイブ・キッドのO-KNEEと辻陽太のジーンブラスターが交錯した瞬間。2月11日、エディオンアリーナ大阪

「このセルリアンブルーのリングはまぎれもなく新日本プロレスのリングだ。ゲイブ、そしてEVIL……」

 辻はそう言って笑った。対して、バレットクラブを追放されたゲイブはこう話した。

「オレはオマエに何か言葉をかけようと思っていた。オレたちの物語はまだまだ終わらないようだ。それはそれでいい。しかし成田とEVIL、オマエたちは自分の墓を掘るようなことをやったな。……辻、オマエとはいずれまたこの先、相対するだろう。次の相手はオマエだ、成田。オマエがLAに移ったとき、面倒を見たのが誰か、忘れたのか?」

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 ゲイブはもう一つの「道場兄弟」の物語を口にしたが、これは別の形になりそうだ。

長州力と藤波辰巳の「名勝負数え唄」のように…

 3月7日の後楽園ホールでは辻vs. EVIL、3月8日はゲイブvs.成田が『NEW JAPAN CUP』の1回戦として決まっている。二人とも勝ち進むことができれば、3月16日の静岡での準決勝で当たる可能性はある。

 二人には昭和の時代、長州力と藤波辰巳が熱い戦いを繰り広げた「名勝負数え唄」の始まりに近いものを感じた。長州の“かませ犬発言”に端を発した一騎打ちは、広島でのノーコンテストでスタートしたが、その後も日本中で長州と藤波は戦い、名勝負数え唄と呼ばれた。

 辻とゲイブが何試合できるかはわからないが、ファンも熱くなっている今、このカードを温存する理由は一つもない。

 辻vs.ゲイブは今、一番ファンが見たいカードだからだ。

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