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「まだ受け入れられない」サポーターに聞いた“レッドブルへの本音”…RB大宮アルディージャはどう変わった?「新ユニは好評」「じつは大型補強なし」
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara
posted2025/02/21 11:45

「RB大宮アルディージャ」となって初めての開幕戦を迎えた2月15日。NACK5スタジアムに訪れたサポーターの声を聞いた
アルディ、ミーヤと3ショットに収まった女性は、「マスコットについては情報が少なかったので、今日会えてホントにホッとしました」と嬉しそうだった。その一方で、ピッチ上に登場しないことにさみしさを感じる、との声もあった。
レッドブル買収後も大型補強はせず…いったいなぜ?
RB大宮は、1969年に設立された電電関東サッカー部をルーツとする。NTT関東サッカー部へ改名されたチームは、99年のJ2リーグ発足とともに大宮アルディージャとしてその一員となった。
ホームのNACK5スタジアム大宮に通うファン・サポーターのなかには、JFLを戦うNTT関東から応援を続ける人がいる。2005年のJ1昇格をきっかけにスタジアムへ通うようになった人も、J1で戦っていたチームを知らない人もいる。チームとともに過ごしてきた年月は人それぞれで、RB大宮となったチームの受け止めには、当然ながら濃淡がある。驚きと、戸惑いと、ためらいと、遠慮と、新鮮さと、期待と、興奮と――たくさんの感情が入り乱れながら、RB大宮として動き出すチームを見つめている。
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ファン・サポーターに共通した思いがあるとすれば、チーム編成への安堵だろう。
RB大宮への株式譲渡が決まってから、他チームから即戦力を補強して既存の選手がチームを離れたり、出場機会を失ったりするのでは、との不安が渦巻いた。
実際は、違った。昨シーズンの主力はほぼ残留し、育成組織出身の大卒選手やユースからの昇格選手が新加入した。他チームからの移籍には、長澤徹監督にかつて師事した選手が含まれている。「引き抜いた」とも見えるのは、CBガブリエウとFWカプリーニくらいだ。このふたりのブラジル人選手にしても、J2からJ1へ昇格した横浜FCからの獲得である。実力派で即戦力ではあるものの、大型補強と呼ぶほどではない。
実はチーム編成について、レッドブルは早い段階でシグナルを発している。「高い選手を買い集めて強くすることは、まったく考えていない」との意思表示があったのだ。
<後編へ続く>
