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「常人じゃ藤井聡太さんに勝てません。きついですよー」永瀬拓矢が“評価値的に逆転負け”直後…電話口で本音「自分がいいと。形勢を誤った理由です」 

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大川慎太郎

大川慎太郎Shintaro Okawa

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2025/02/11 06:01

「常人じゃ藤井聡太さんに勝てません。きついですよー」永瀬拓矢が“評価値的に逆転負け”直後…電話口で本音「自分がいいと。形勢を誤った理由です」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

王将戦第3局、藤井聡太七冠の前で天を見上げる永瀬拓矢九段

「飛車取りに銀を打った手(99手目)では形勢がいいと見ていて、その後でまさか▲6二銀不成の1通りしか勝ちがないとは思わなかった。だから8二に銀を打った手では▲7三角打として、△5三玉▲9一角成と香を取る順もあるようなので、そちらを選ぶべきだった可能性はありますね」

 そしてもう一度、話題になった代案について言及した。

「持ち時間が3時間以上残っていたとしても、▲6二銀不成を考えるかと言われたら微妙ですね」

常人じゃ藤井さんに勝てません…初日は耐えられますが

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 永瀬の視点による一局の流れはおおよそ理解することができた。改めて総括してもらうと、思いもよらぬ言葉が返ってきた。

「2日制対局の経験値が足りなすぎます。きついですよー。経験を積まないと、常人じゃ藤井さんには勝てません。1日制とはルールというか、ゲーム性も随分違ってきます」

 確かに永瀬は過去、2日制のタイトル戦に出場したことが一度しかなく(2021年、第70期王将戦七番勝負)、経験豊富なのは1日制ばかり。6年連続で出場し続けている王座戦も1日で完結する。しかし、そこまで違うものなのか。

「初日はまだ耐えられるんですけど、2日目が課題ですよねー」

 永瀬の口調が段々と柔らかくなってきた。初日と2日目はどう違うというのだろう。〈つづく〉

#3に続く
「あえて寝不足です…ハハハ」永瀬拓矢が旧知の記者に語った“80分の本音”藤井聡太に負けても「まだまだ強くなれる」なぜ明るい口調なのか
この連載の一覧を見る(#1〜4)

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