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「栗山英樹のもとに井端弘和が!」日本ハムキャンプでWBC監督“青空会談”が実現…「そこは考えておかないと」新庄監督とも話したこととは
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/02/10 17:01

日本ハムキャンプを訪れた日本代表・井端弘和監督。前監督の栗山英樹氏とも話す場面も
漏れ聞こえてきたところでは、新庄監督は他球団の選手として楽天の辰己涼介とヤクルトの長岡秀樹の名前を挙げたという。新庄監督はその後、遊撃手の後ろのポジションで、じっとノックを見つめていた。
清宮の軽やかなサード守備に観客席から拍手
シートノックが終わると、選手は短いインターバルで「投内連携」へと移行した。投手も参加する内野ゴロ処理の守備練習だ。
新庄監督は、トンボを手にすると、スタッフとともに遊撃手のポジション付近の土を丁寧にならし始めた。これ、春季キャンプではよく見られる光景ではあるが、観客席からじわっと声も上がっている。
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「投内連携」で最初にマウンドに上がったのは、167cmの小柄ながら、昨季中継ぎで小気味よい投球をした山本拓実。捕手にボールを投げ込むと、コーチが一二塁間にゴロを転がす。山本はすかさず一塁のベースカバーに入る。続いて生田目翼、河野竜生と、昨季いい働きをした救援陣が次々とゴロを処理していた。
清宮は引き続き三塁をほとんど一人で守り、送球を処理している。身のこなしは軽やかだ。少し引き締まった印象もある。彼の動きに対しても観客席から拍手が起こる。
井端監督と栗山CBOは長く話し込み…
井端監督は、三塁の後方に移動し、栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)、つまり侍ジャパンの前任監督と話している。三塁側ベンチに陣取った報道陣のカメラは、内野の練習だけでなく、その光景も撮影しなければならないから、実に忙しくなった。
時折小雨が降り注ぐ中、栗山CBOと井端監督はかなり長く話し込んでいた。両者ともに熱が入っているようだった。
球場の右翼外側にあるブルペンでは、早くも主力投手陣が投球練習を始めていた。ブルペンに立っているのは二人の左腕。今年6月に40歳になる宮西尚生。NPBの最多ホールド記録保持者、既にレジェンドと言ってよいが、早くもブルペンに立っている。そして昨季オリックスからFA移籍し、先発の柱の一人として10勝を挙げた山﨑福也。山﨑は、捕手を相手に投げ込んでいる。
「フォーシームいきます」「スライダーいきます」
こんな感じで次々と球種を投げ込む。スライダーは鋭く曲がっていた。
「次、フォークいきます」
昔はサウスポーでフォークやスプリッターを投げる投手はいなかったものだ。阪神時代の能見篤史が投げていたくらいしか記憶がないが、カブスで大活躍した今永昇太らもフォークを武器にしている。山﨑福のフォークは鋭く落ちて清水のミットを鳴らしていた。山﨑はこの日、46球を投げ込んだ。
再びメイングラウンドに戻ると、バッティングケージが置かれて、フリー打撃が始まっていた。