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キム・イェジュンの“挑発ジェスチャー”「勝つにはあれをするしかなかった」それでも直後にKO、井上尚弥の凄みを“怪物と最も拳を交えた男”が解説 

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森合正範

森合正範Masanori Moriai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/01/28 11:01

キム・イェジュンの“挑発ジェスチャー”「勝つにはあれをするしかなかった」それでも直後にKO、井上尚弥の凄みを“怪物と最も拳を交えた男”が解説<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「来い来い」というジェスチャーをするキム・イェジュンを攻め込む井上尚弥

最後はワンツーで4回2分25秒のKO勝利

その左フックの後、井上はボディに左を放ち、その後も重いパンチでたたみかけ、最後はワンツーで4回2分25秒KOでフィニッシュした。

――挑発されてその直後に倒しきるなんて、まるでドラマや漫画の一場面のようでした。

「今の井上選手は苦戦も許されないというか、圧倒的なKO勝ちを求められている状況です。その期待に応えるという、とんでもないことをしている。勝利だけでなく一段階、二段階上を目指している。対戦相手の後ろにもまだ敵がいるような感じです」

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――ファンの期待とまで闘っていると。

「ここ数戦はそのイメージが強い。僕個人のわがままとしては、そういうのを抜きにして、相手だけに集中したときに、彼がどういうボクシングをするのかを見てみたいです」

――ボクシングは狙って倒せるわけではありませんよね。

「そうなんですけど、狙って倒していますよね。それがすごい。いくらパンチがある選手が思いきり打っても倒せない試合がたくさんある。それがボクシングじゃないですか。ここ数戦、井上選手の相手はフルトン、タパレス、ネリ、ドヘニーと力のある選手ばかり。ドヘニー選手だって元世界王者です。本人も『ただ勝つだけではない』と言っていますけど、そういう選手を倒すって……。スーパーバンタム転向初戦のときは『KOは狙わない、これからは自分自身との闘い』のようなことを言っていましたから、だいぶ求められるものや本人の意識が変わってきていますよね」

明かされた“今後の構想”をどう感じた?

井上の今後の構想が明かされた。アラン・ピカソ、ムロジョン・アフマダリエフと防衛戦を行う。その後フェザー級(リミット57.1キロ)に上げてWBA王者のニック・ボールと対戦し、スーパーバンタム級(リミット55.3キロ)に戻しての中谷潤人戦を示唆した。

――フェザー級に上げて、またスーパーバンタム級に戻すと聞いて、どう思いましたか?

「こればかりは本人の感覚が大丈夫だったら……としか言いようがないです。聞いたときは頭に「?」が浮かびました。上げて戻すと、感覚がずれるんじゃないかなと。でもジムの先輩でトレーナーの八重樫東さんがいる。同じようにすぐに1階級下げて試合をやっていたので、それは大きいと思う」

――経験者である八重樫さんの存在が大きい。

「実際にやっていて、ましてや体の知識がすごいある。八重樫さんは下げた当時、確かリカバリーのことを話していたので、あのときのノウハウを全部伝えられますよね」

【次ページ】 フェザーでの闘いも「問題ないと思います」

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