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「お前、死んだような顔しとんな」DeNA吉野光樹を覚醒させた伊勢大夢と三浦監督の助言…驚異の奪三振率の“脱力投法”で「今年はハマスタで勝つ!」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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posted2025/01/27 11:00

「お前、死んだような顔しとんな」DeNA吉野光樹を覚醒させた伊勢大夢と三浦監督の助言…驚異の奪三振率の“脱力投法”で「今年はハマスタで勝つ!」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

昨シーズンは故障から復帰してプロ初登板を果たし、CSジャイアンツ戦にも登板した吉野光樹が復活秘話と今季への決意を語った

 球種はストレートを軸にフォーク、カットボール、スライダー、カーブ。プロになりカットを身に付け、またフォークの落ち幅を微妙に変えるなど、一つの球種であってもタイミングの変化などを含め、工夫をして対応しているという。それと、少しライズするようなストレートのスピンレートは毎分2400回転を超え、高いアベレージを記録している。

CS登板で思っていたこと

 吉野は快投を見せた阪神戦の活躍もあり、そのまま一軍に帯同され、怒涛のポストシーズンに挑んでいく。

 高鳴る鼓動のなか、吉野は、巨人とのCSファイナル第3戦(東京ドーム)に先発し、3回1失点と自分に課せられた役割を果たした。シビアな試合、やはり緊張したのではないだろうか。

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「いいえ、じつは思っていた以上に緊張しなかったんです。チームが連勝していたのもあったのですが、ここは自分がしっかり投げて勝たなきゃという気持ちが強くて、気合いが入りました。東(克樹)さん、ジャクソン、大貫(晋一)さんにおんぶに抱っこじゃいけませんからね。でも、独特な雰囲気はありました。マウンド上で、いつもより歓声が倍騒がしくなって、一球一球に対する反応も違う。そういう意味では、楽しめた感じもありましたね」

 東京ドームは初登板、初先発した場所であり、また9月8日には先発を回避した大貫に代わっての緊急登板ながら6回無失点で2勝目を挙げるなど、いいイメージを持っていた。

ブルペンを経験して

 つづく日本シリーズではロングリリーフ要員としてブルペン待機になった。普段、あまり見ることないブルペン陣の姿に吉野は感銘を受けたという。

「すごくいい雰囲気でしたし、また試合中、急に電話がかかって来て、すぐさま切り替えてマウンドに向かう様子など、見ていてすごく勉強になりましたし、改めて先発として長いイニングを投げなければと思いました」

 初めてのブルペン、そのなかで吉野が頼りにしていたのが、九州学院高のひとつ先輩である伊勢大夢だ。もはやベテランの風情さえ漂うセットアッパーの背中を追った。

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