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「選手権ヤバいな!」夢は日本代表でもプロでもなく…名門・青森山田の“人数合わせ”平凡なサッカー少年は室屋成だった「兄貴が…俺も!」

posted2025/01/15 17:01

 
「選手権ヤバいな!」夢は日本代表でもプロでもなく…名門・青森山田の“人数合わせ”平凡なサッカー少年は室屋成だった「兄貴が…俺も!」<Number Web> photograph by Kenzaburo Matsuoka/AFLO

青森山田時代の室屋成。日本代表にも上り詰めたSBだが、中学時代は「普通で無名のサッカー少年」だったという

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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熱戦の数々で幕を閉じた全国高校サッカー選手権。その中でも近年、全国屈指の強豪となったのが青森山田高校だ。そのOBで日本代表経験もあるDF室屋成(30歳)に当時の思い出、そして今も生きる“先輩と恩師の教え”について聞いた。〈NumberWebインタビュー/全3回の1回目〉

当時の僕はプロを目指そうとは…

 誰もが世界一を目標として、サッカーをしているわけではない。仲間と一緒にボールを蹴ることが好きで、楽しく生活している子もいる。

 ただ、普通のサッカー少年が目の前のことに夢中で取り組んだ先に、予期せぬ財産を手にすることがある。それほどまで夢中になり、目標とできるところに、日本オリジナルの大会の良さはあるのかもしれない。

 後に日本代表に選ばれたり、ヨーロッパに移籍したり、多くのサッカー少年が憧れるような人生を歩むことになる室屋成(ドイツ・ハノーファー所属)も、全国高校サッカー選手権があったことで、その後の人生が変わった一人である。

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 室屋は、南野拓実と同じサッカー少年団に所属していたことで有名だ。2人は大阪府の南部にある熊取町に拠点を置くゼッセル熊取でボールを蹴っていた。くしくも、南野の兄と室屋の兄も同い年だったこともあり、仲良くなるまでに時間はかからなかった。

 しかし南野が兄と同じように中学校からセレッソ大阪の育成組織に進むエリートだったのに対して、室屋はそのままゼッセルのジュニアユースチームへと進級した。

「ライバルみたいな意識は全然なかったですね」

 悔しい思いを抱えていたと思われがちだが、中学時から年代別の日本代表で活躍する親友に対抗心を燃やしてはいなかったのには理由がある。

「拓実は世代別の代表にも入っていましたけど、僕は中学までは地元の友達と楽しく遊びながらサッカーをやっていた感じでした。そもそも、当時の僕はプロを目指そうとも考えていなかったので、『アイツには負けたくない』などとは少しも思っていなかったです」

平凡なサッカー少年が変わった“2つのきっかけ”

 当時はごく平凡なサッカー好きの中学生――。そう自認する室屋を変える2つの出来事は、中学3年生のときに訪れた。

 1つ目のきっかけは、隣の奈良県で夏のインターハイが行われたことだった。

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