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「スキー板の規定違反=高梨沙羅への嫌がらせ」は真実なのか…「なぜ試合前にチェックできない?」広がる疑問への“明確な答え”
posted2025/01/08 17:35
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
1月6日にオーストリア・フィラハで行われたノルディックスキー・ジャンプのワールドカップ個人第9戦で、高梨沙羅が失格となった。
スキー板の長さにおける規定違反があったとされ、2回目のジャンプの記録が取り消され、1回目の記録のみとなり、30位という成績で終えることになった。
この一件が、波紋を投げかけている。競技の取材を続ける筆者のもとにもいくつか問い合わせがあるなど、今回の一件への注目度がうかがえる。高梨は2022年の北京五輪混合団体で、スーツの規定違反により1回目が失格とされ、チームは4位の成績で終えた。そのときの記憶が消え去らないこともあるだろう。ただ、それらの波紋の中には、誤解に基づく部分もあり、またジャンプという競技の難しさをあらためて思わせる部分もあった。
「なぜ試合前にチェックできない?」疑問への答え
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まず、今回、違反とされたスキー板の規定だが、選手が使用できるスキー板の長さには決まりがあり、それは選手のBMIによる。BMIは(スーツを含めた)体重÷身長÷身長によって算出される数値で、BMIが21.0以上なら身長の最大145%の長さのスキー板を使用でき、20.5なら143%、20.0なら141%……という具合に定められている。
北京五輪で高梨が失格となったのは1回目に対してであった。ジャンプでは飛んだあとに抜き打ちで検査が行われ、スーツのサイズであったり、さらに体重などもチェックされることがある。そしてスーツに関して、1回目のあとの検査で違反とされたことによる。違反にならないよう対応して飛んだことで2回目は失格とならなかった。